自民・公明の政府与党は昨年末
「平成18年度税制改正大綱」を決定しました。
みなさんもよくご存知の定率減税の廃止や、企業の減税措置の見直しなどといった、
日本政府が強い増税色の方向に動き出したということは言うまでもありません。
→参考サイト「自由民主党:平成18年度税制改正大綱」
今日から数回に分けて、
「平成18年度税制改正が、一体どんなものなのか?!」を、
私のスパイス(?)を混ぜつつ、できるだけ分かりやすくお話していきたいと思います。
【法人成り節税をけん制】
まず、
役員給与への大幅な課税強化。
タイトルにもある通り、
「法人成り節税をけん制する動き」があります。
「法人成り節税」に関しては、以下の記事をご参照ください。
→関連記事「所得税の定率減税廃止合意 〜サラリーマン法人化のススメ〜」
どういうことかと言いますと、
同族会社オーナーやその関係者が90%以上の株式を保有し通常業務に従事する役員を兼務している、
いわゆる、
実質一人会社のオーナー役員に対して支払う給与については、
給与所得控除相当分を損金に算入できなくなります
以下の図をご覧ください。
ただし、以下の条件を満たす場合はこの適用から除外されますので通常の役員給与を損金算入できます。
1.同族会社の法人所得が800万円以下(法人税率22%)の場合
2.同族会社の法人所得が800万円超3000万円以下(法人税率30%)の場合で、
オーナー給与の占める割合が法人所得の50%以下の場合
上記どちらかを満たす場合は、今まで通り役員給与は全額損金で落とせます。
なので、
当分は法人所得800万円以下の法人であれば、様々な節税が可能ですが、
このような
法人成り節税をけん制する税制改正の動きを考えると、年間所得800万円という基準も
消えて無くなるかもしれません。
このような動きは、新会社法で最低資本金制度が完全に撤廃され、個人から法人成りがさらに容易となり、
「法人経費と個人の給与所得控除」という二重控除を狙った節税を防ぐためと見られていますが、
「中小企業と大企業の役員の税負担に差別を設けるものだ」ということで、大きな波紋をよんでいます。
せっかく、
「新たなビジネスの創業を支援し、日本の景気を活発化させよう!」というポリシーのもとで
最低資本金制度が撤廃され、新会社法も整備されたにも関わらず、これではまた逆戻りです。
→参考サイト「法務省民事局:会社法の概要」
数々の法人成りメリットがあるからこそ、創業者が増え、日本のビジネスが活性化されるはずなのですが、
日本の税制調査会は、どうやら経済の動きに逆行しているように感じます。
【例えばこんな改革はどうでしょうか?】
かなり偏った意見を言わせていただくと、さほど効果の無い細々した制度を整備するよりは、
例えばこんな馬鹿みたいに大胆な改正はどうでしょうか?
ズバリ、「国内法人税率70%+配当金を損金算入&非課税」
残った利益に70%も税金かけられてしまっては、どこの企業もたまったもんじゃないでしょう。
だから利益を出すくらいなら、どんどんお金を使います。モノを買ったり、社員にボーナス払ったり。
企業がどんどんモノを買って、社員も給料が増えるのでどんどんモノを買って飲み食いして、遊びに出かけて。
それだけで、消費税の税収と、所得税の税収は増えるでしょう。
少なくとも、使われないお金がジャブジャブ有り余る状態には変化が起きることでしょう。
みんながどんどんモノを買うようになれば、世の中は少しづつインフレに転じます。
インフレに転じれば、企業の売上は増加していきます。そして社員の給料も増えていきます。
そうなると、株価は上がります。
しかし法人税率70%なので会社は利益を残せません。
そこで、配当金は損金算入にします。いわゆる経費ですから、70%もの法人税を払うくらいなら、
全て投資家に分配したほうが、投資家にも喜ばれるし株価も上がるし、一石二鳥!
さらに配当金を所得税非課税にすれば、株式市場も活性化!
みんな非課税の配当所得を求めて、株式市場にどんどんお金が流れ込んでくるでしょう。
こんな馬鹿みたいに大胆な改正はどうでしょうか?ダメですか?(笑)
ちなみに、以下はジェトロのホームページで調べてみました、世界の法人税率です。
さすがに
「法人税率70%」というとんでもない高税率の国は存在しませんでした(笑)
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Posted by causeway_bay at 15:06│
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