新興国市場から投資マネーが流出しはじめています。
米国の利上げ継続観測を背景に
欧米の投資家が資金を引き揚げており、直近一週間あまりで新興国の株式相場は10%以上下落、
約2年ぶりの大幅調整に見舞われています。
3月にはアイスランドなど高金利国の株価や通貨が急落する場面がありましたが、
今回はブラジル、ロシア、インドなどのBRICs新興市場大国を含めて幅広く資金が流出。
日欧米の投資マネーを呼び込んできたインドも同様で、株価は1割下落、先週の前半だけでも
国際機関投資家はインド株を3億7000万ドル相当を売却し利益確定した様子です。
新興国の株や債券高もすでに4年目を迎えて、MSCI(モルガンスタンレーキャピタルインターナショナル)
が算出しているMSCI新興国株価指数は、2001年末に比べて2.5倍にも上昇しました。
世界的なカネ余りを支えてきた日欧米の低金利政策が、一気に修正局面に入っているために、
欧米勢が幅広く投資資金の回収に動き出していると、HSBCはコメントしています。
国債の格付けが「投機的水準」のトルコでは、
3月から株式時価総額が13%(約280億ドル)も
吹き飛びました。慌てたトルコ政府は財政改善に向けた声明を繰り返していますが、
資金流出はいまだ止まっておりません。アルゼンチンも、株価の下げが今月だけで15%に迫ります。
ただ、短期資金が一斉に引き揚げた1990年代のアジアやロシアの金融危機のときとは違い、
過去に金融危機を経験し、筋肉体質に変貌しているアジア各国や、資源高の恩恵を受けているロシアは、
財政や企業が改善し、為替相場への影響も限定的とみられ、金融危機を警戒する声は少ないようです。
短期的に欧米投機資金が引き揚げている今は、ある意味アジア・ロシアあたりは買い時かもしれません。
しかしその半面で、今後はインデックスを買っていれば間違いないという状況には疑問符が打たれます。
強いアジアの市場であっても、なかなか上昇局面を迎えない、ずーっと横ばい銘柄も多く存在します。
今後は長期的な海外投資においても、地域や企業など、投資先のさらなる選別が一段と強まるでしょう。
さらに言うならば、
株価・為替・商品など経済市況に左右されない、ニュークラスの投資商品を
ポートフォリオに一部組み込んでいくことも、ひとつの投資スタンスとしてはよいかもしれません。
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Posted by causeway_bay at 11:36│
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