その過程で同社株を保有する投資家は大きな値上がり益を享受できた。
しかしアナリストらは現在、同社株の上昇が持続するかどうか、疑問の目を向けている。
時価総額ベースで世界で最も規模の大きな銀行のひとつであるHSBCは、
過去5年間の積極的な企業買収により、その事業の姿が根本的に変化した。
同社は昨年、米消費者金融のハウスホールド・インターナショナルを148億ドルで買収。
今年に入ってからは、中国の交通銀行の株式を19.9%取得している。
アナリストらは、HSBCを同社よりも規模が大きい
米シティグループ(NYSE:C)と比較するようになっている。
HSBCの株主は、同社の拡大路線から大きな恩恵を受けてきた。
HSBC株は過去2年間で約45%上昇。
同じ期間のライバル社の値上がり率は、
バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)が約33%、
シティグループは約20%、英バークレイズは約28%となっている。
HSBCの米国預託証券(ADR)の7日終値は前日比30セント安の85.91ドル。
52週高値は11月15日につけた88.37ドル。
一方、香港株式市場のHSBC株は0.50香港ドル安の134香港ドル、
ロンドン市場では1ペンス高の885.5ペンスで7日の取引を終えている。
「世界のローカル銀行(Yhe World's Local Bank)」を目指すHSBCは、
米国、欧州、アジアの3地域から均等に収益をあげているが、最近は厳しさにも直面している。
米国では、7−9月期の金利上昇が資金調達コストの増加につながり、利益率を圧迫した。
アジアでは、香港市場での激しい競争が収益性に響いている。
英住宅金融事業の伸びは依然として高いものの、減速している。
またアナリストらによると、中国事業は将来大きく寄与すると見込まれるものの、
向こう数年間は大きな利益は期待できないという。
こうした中、すでに高い水準にあるHSBCの株価が、新たな大型買収なしでさらに上昇することは難しいとの声が、
強気筋からも聞かれるようになっている。
「HSBCの現時点の戦略は、(買収や為替の影響を除いた)オーガニックグロース(有機的な成長)を目指すもので、
これは世界需要に大きく頼っている。
われわれはそうした需要についてはあまり信頼していない」と、
ソウル在住のCLSAパシフィック・マーケッツ上席銀行アナリスト、アンドリュー・レイノルズ氏は述べた。
「この水準で利益を確定すべきだろう」と同氏は付け加えた。
レイノルズ氏は、HSBCがハウスホールドを買収した際、HSBCの投資判断を「バイ」に引き上げたが、
今年に入り、保有株を売却、投資判断を「アンダーパフォーム」に引き下げた。
HSBCの上級幹部の考え方について詳しい筋によると、
HSBCがリテール事業強化のために米国で新たな買収を行う可能性は高いという。
またHSBCは、中国大陸にも目を向けている。
HSBC傘下の香港上海銀行のデビッド・エルドン主席は、北京で最近開いた記者会見で、
中国での保険や資産運用事業への投資を機会があれば検討すると述べている。
エルドン氏は今週6日、来年5月に主席を退任すると発表したが、
HSBCは中国戦略をめぐる同氏の発言は有効と確認した。
またHSBCは、米投資会社ニューブリッジ・キャピタルから、
韓国の第一銀行(000110.SE)の株式49%を買収する可能性について交渉しているほか、
これまで他社に遅れをとってきた
投資銀行事業の強化に積極的に動いている。
HSBCは、投資銀行事業拡大のため、約700人を採用したが、CLSAのレイノルズ氏は
「この事業でHSBCは特に優れた成績をあげていない」と指摘。
「そうした多額の投資が本当に必要だとは私は思わない」と述べた。
(
12月8日付のDOW JONES US MARKET ATLASより引用)
ゴールドマン・サックス―世界最強の投資銀行
・もともとちっぽけな同族経営の銀行は、いかにして有能な人材を集め、
ウォール街で最強の地位を確立したのか。感動と真実のドラマです。
・独創的なビジネスモデルのゴールドマンサックスは、やはり凄いの一言。
・開拓者精神に満ち溢れた米国の金融機関は、やはり日本とは違うなぁ・・・
・日本の銀行員に是非読んで欲しい一冊。(^○^;
→現在55位。ここから先がなかなか上がらない(><)引き続き応援よろしく。(株式投資ランキング)