本日の日経新聞国際2面より引用
「果実は一部、農民暴動」
【果実は一部、農民暴動】
中国内陸部で、開発のひずみが噴出し始めた。
目玉の
「西部大開発」で投資を誘致しているが、所得向上の速度が都市部ほどには高まらない農村部などの住民が、格差拡大や汚職役人たちへの不満を募らせ、暴動などの形で爆発させている。「荒れる内陸」は今後、中国経済発展のアキレス腱になりかねない。
1月上旬、重慶市中心部と重慶空港を結ぶ幹線道路上に、工場労働者ら約100人が約1時間にわたり座り込んだ。
行く手をふさがれた自動車がけたたましく鳴らすクラクションにも動じず、大渋滞を引き起こした。
「会社が数ヶ月間給料を支払ってくれない。幹部は会社の土地を勝手に売却してもうけているのに」
不満を募らせた国有企業の労働者らが実力行使に訴えたのだ。
地元政府幹部が現場に急行し「前向きに対処する」と約束。
事態を収拾したが、重慶市では月に1〜2回は国有企業のリストラや都市再開発に伴う土地の賠償問題で、
デモ隊が道路を封鎖し大渋滞が発生、都市機能に大きな影響を与えている。
と・・・、↑こんな記事が本日の日経新聞にデカデカと載っていましたが、
以前から懸念されていた
「沿岸部〜内陸部の経済格差」が一段と深刻化しているようです。
重慶市でも住宅ブームに突入しているようですが、高価な住宅を購入するのは役人や外資系企業の人たちで、
農村出身者はバラックのような家に住み、
電気・ガス・水道・電話などはもちろん無く、
未だに
石炭でお湯を沸かし、
共同給水所で生活用水を汲み、
日々の食料もままならない家庭が多いようです。
このような農村出身者と、住宅購入する富裕層との
経済格差はなんと100倍以上もあり、
これがまた上海市の中高所得者層と比較すると、
数百倍〜数千倍とも言われています。
中国の異常なまでの経済発展は、ほとんど沿岸部のみで牽引されており、内陸部の生活レベルは、
国際的に最貧国レベルと言ってもおかしくはないでしょう。
温家宝首相は、
「沿岸部〜内陸部の経済格差を縮めることが重要課題だ」と言っておりますが、
実際は、内陸部の開発を進めれば進めるほど、
裕福になれるのは一部の共産党官僚や財界有力者のみで、
西部大開発が更に一層経済格差を拡げてしまうという傾向が顕著に現れてきました。
【西部大開発とは】
西部大開発とは、中国の政策の重点項目の1つで、沿岸部に比べて経済発展の遅れた内陸部に位置する
重慶市、四川省、雲南省などの12の省・直轄市・自治区エリアの大規模開発のことを言います。
中国共産党の、2001〜05年の経済発展の方針を定めた第10次5カ年計画に盛り込まれています。
主に、
道路や電力などのインフラ整備に資金を重点投入し、開発を進めています。
・・・中国という国が、
このまま1国のままであり続けられるのかということも疑問視されています。
旧ソ連のように、民族・政治・文化・経済などのあらゆるギャップから、
民族紛争→自治区→独立という流れが
現実的に起きてもおかしくない状況です。
中国にはいくつかの自治区が存在しますが、そこに
有能な指導者が現れたら中国からの独立も時間の問題です。
すると中国株はどうなるか?
中国の
国際社会からの信用・評価が下がり、株価にも大きく影響を及ぼすのでは?!
それに
豊富な天然資源が埋蔵されているのは内陸部ですし、その宝の山を中国は手放したくないと思います。
なので、もし大規模な独立紛争でも起こったりしたら、中国共産党がどう対処するのか重要です。
そもそも、あれだけ大きな国土、人口、民族が入り混じった国を、
1党独裁で統治するのは大変な事です。
中国も社会主義国家にどこかで終止符を打ち、いずれ他の民主主義国家のように、複数の政党があり、
政治が選挙で行われるようになる時期がひょっとしたら来るのかもしれません・・・。
そうなったときに、一部の人のみの経済発展ではなく、
中国の本当の経済発展がやってくるかもしれません。
だれが中国を養うのか?―迫りくる食糧危機の時代
・工業化による耕地減少と水不足。
・中国が食糧輸入大国として登場するとき、世界は大混乱に陥る。
今がわかる時代がわかる世界地図 (2005年版)
↑世界が見えれば相場が見える!経済が見える!
最新のデータ地図を片手に、2005年もアクティブ運用!
昨年はこの本にとってもお世話になりました。(’◇’ゞ
Posted by causeway_bay at 09:53│
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