香港資産運用奮闘記銀行 > 海外の預金保険制度はどうなっているか? 〜アメリカ編〜
2005年01月27日

海外の預金保険制度はどうなっているか? 〜アメリカ編〜

昨日に引き続き、ペイオフのお話です。
海外には日本の「預金保険制度」と同様の制度を施行している国が数多くあります。
→過去記事「Q9.ペイオフ解禁って、一体どういうことでしょうか?(・ω・; 」


でも海外の銀行の場合、実際にその銀行が倒産して預金を取り返すとなると、
様々な手続きが必要だったり、それには堪能な語学力が求められたり、
また実際に現地に飛んで手続きを踏まなければいけなかったりと、
恐らく莫大な時間と労力を使うことと思われますが、(^ー^;
それでもまったく預金保険の制度が無い国よりは少しはましでしょう。


【アメリカの預金保険制度について】

アメリカは「FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation)」という
政府機関が運営する預金保険制度があり、アメリカ居住者、非居住者問わず、
各銀行1名義あたり10万米ドル(およそ1000万円ちょい)は補償されます。

アメリカの預金保険なので、アメリカに本店を置く銀行が対象になります。
シティバンクバンクオブアメリカウェルズファーゴJPモルガンなどです。
→過去記事「世界の金融機関の相関図(株式時価総額と総資産額の関係)」


<米国の預金保険制度の経緯>
時期預金保険の対象額引き上げ幅

アメリカの預金保険制度の推移

1934年2,500米ドル-
1934年5,000米ドル100%
1950年10,000米ドル100%
1966年15,000米ドル50%
1969年20,000米ドル33%
1974年40,000米ドル100%
1980年100,000米ドル150%



これらの補償財源は、各金融機関が負担している保険料から支払われます。

アメリカでは、銀行が負担する保険料は、1991年の法改正以前は一律方式でしたが、
法改正によって銀行の企業リスク(財務内容)を加味する方式に変更しています。

その後また1996年の法改正によって、基金の準備率が1.25%を上回っている場合には、
経営内容がよく自己資本比率が高い金融機関は、保険料を払う必要がなくなったそうです

この結果、過去5年間に免許を得た約900の銀行が全く保険料を払わずに済んでいるらしい
さすが、アメリカの銀行は健全だ・・・。


世界の預金保険と銀行破綻処理―制度・実態・国際潮流
 ・ペイオフとは銀行の破綻処理の一手法ですが、各国の手法は千差万別です。
 ・世界の預金保険制度と銀行破綻処理方法の動向、その思想など詳しく解説。
 ・第1章 預金保険と破綻処理の基礎
  第2章 米国の預金保険の歴史と現状
  第3章 米国の破綻処理制度
  第4章 欧州の預金保護と破綻処理
  第5章 カナダの預金保険制度
  第6章 アジアの預金保険と破綻処理
  第7章 可変保険料制度をめぐる動き


銀行・証券・保険 潰れたらどうする―ペイオフ対策マニュアル
 ・ペイオフ実施で現実となった金融機関の倒産。
 ・定期預金から、養老年金、住宅ローン、ミニ株・るいとうまで、
  あらゆる金融商品の防衛策を一問一答でズバリ解説しています。
 ・序章 金融破綻編―なぜ、いま金融機関・経営破綻なのか?
  第1章 銀行編―銀行淘汰の時代
  第2章 証券会社編―3分の1しか残らない?
  第3章 保険会社編―最も契約者の負担が大きい生保
  第4章 外国投資・他編―国内外の「政府」の破綻にどう対応するのか?




香港資産運用奮闘記銀行 > 海外の預金保険制度はどうなっているか? 〜アメリカ編〜


Posted by causeway_bay at 08:23│Comments(4)
    この記事へのコメント
  1. らくだです。こんにちは。

    質問です。
    HSBCはホントに万が一ですが、破綻した場合は
    ちなみにどれくらいまで保護してくれるのでしょうか。

    HSBCの破綻など考えつきませんが・・・。
    Posted by らくだ at 2005年01月27日 11:45
  2. らくださん、こんばんはー。

    > 質問です。
    > HSBCはホントに万が一ですが、破綻した場合は
    > ちなみにどれくらいまで保護してくれるのでしょうか。

    今のところ、香港には預金保険制度は無いようです。
    万が一HSBCが破綻したら、全額保護されないと思いますが、
    現在香港でも預金保険制度を整備中のようです。もうちょっと調べてみますね。

    それと、HSBCは香港では発券銀行で、
    いわゆる日銀のような役割も兼ねていますから、
    もしもHSBCが破綻なんてことになったら、
    アジアの経済は相当な混乱を招くことになるでしょうね。
    Posted by kz@銅鑼湾 at 2005年01月27日 21:27
  3. 米ドルベースで国際分散投資を行っている人には重要な事でしょうね。
    Posted by 家計FP at 2005年01月27日 22:35
  4. 家計FPさま、おはようございます。

    > 米ドルベースで国際分散投資を行っている人には重要な事でしょうね。

    そうですね。
    これからは、世界各国の様々な制度をもっと知っていく必要があると思います。
    知識がリスクヘッジになりますからね。
    「知らない」ということが一番リスクですもんね。
    Posted by kz@銅鑼湾 at 2005年01月28日 08:29

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