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2005年08月04日

英RBSが中国銀行に出資

中国の四大国有商業銀行の一つ中国銀行は、英大手銀行のロイヤルバンクオブスコットランド(RBS)から
資本参加を仰ぐ方向で最終調整に入りました。

RBS30億ドル(約3300億円)前後を投資して、株式の10%を取得する見通しです。
バンクオブアメリカの出資が決まった中国建設銀行に続く、巨大資本参加の動きで、
中国の銀行システムが、外資系金融機関の参加によるシステム改善が大きく進みそうです。

中国銀行は2004年末のグループ全体の総資産が4兆2704億元(約57兆円)で中国第二位
中国政府の支援により、不良債権比率は5.12%まで下がり、自己資本比率は10.04%と国際業務が
展開可能な水準まで向上しました。
→関連記事「世界の金融機関の相関図(株式時価総額と総資産額の関係)」

次の段階として、RBSの資本参加による信用力を高めて、来年前半に予定している
海外での株式上場に弾みをつけるという考えです。

今回、中国銀行への出資を決めたRBSとは、英国第2位の金融機関(第1位はもちろんHSBC)
これまで、HSBCと同様に徹底した拡大戦略をとり、主に欧米での大型M&Aを展開してきました。

しかし、アジア市場での業務展開が手薄で、今回の資本参加の思惑は、手薄なアジア市場のうち、
最もマーケットの大きい中国市場での足場を作り上げることになります。

英国北部の地方銀行に過ぎなかったRBSは、積極的な買収戦略により、1999年には300番台だった
株式時価総額は、現在約1000億ドルと、世界第6位の大型金融機関に成長
宿敵のHSBCに対抗するために、念願のアジア進出の第一歩を果たしたというわけです。
→関連記事「金融機関ランキング」

RBSは、徹底したコスト管理で、高収益低コスト体質で知られています。
今回の買収により、中国銀行にも役員を数十名派遣し、中国の非効率な金融システムが
大きく改善
されることでしょう。


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