本日の日本経済新聞国際面ダイジェストからの引用です。
「中国でデフレ警告、4〜6月にも」
中国でとある著名学者が上海市内の講演で以下のようなお話をされました。
「中国でデフレの兆候が既に見られてきている。
2006年第2四半期〜年後半にかけてデフレに陥る可能性も十分ありえる」
景気過熱感が指摘された2003年〜2004年に、鉄鋼やセメントなどに過剰投資したツケが顕在化し
価格の下押し圧力が一段と強まっている傾向にあるといいます。
「能力過剰は多くの企業の投資を縮小させ、需要を低下させていく」と指摘しており、
北京大学の著名教授陣をはじめ、他の中国の有名な経済学者たちの間でも、
中国のデフレ懸念が信憑性をもって広がり始めています。
中国の昨年1〜11月の消費者物価上昇率は前年同期比1.8%でした。
原材料価格の上昇などがあったにも関わらず、政府の4%という目標を
大きく下回っています。
これまで日本が歩んできたように、
デフレは株式市場にとってマイナス要因です。
売り買いのタイミングさえ間違わなければ、デフレ下でももちろん株式投資で
利益をあげることは可能ですが、怖いのは
「最終的に誰かががババを引く」ことです。
その「誰か」というのは、もちろん我々個人投資家であるのは言うまでもありません。
中国はもともと、国有資産のうち優良資産部分を分割し、スタートの段階で
ある程度優位にたっている企業が相当数あります。上場企業の多数を占めます。
デフレ下。
いわゆるものが売れない世の中では「企業の競争力、体質や体力」が大きく問われます。
もしも上記記事の通り、中国がデフレ環境に突入していったならば、賄賂が横行する官僚体質の国有企業は、
激しい国際競争とデフレというふたつの圧力のなかで、生き残っていくのは困難でしょう。
→関連記事「西部大開発の光と影」
また、
「中国の財政は日本並みに悪化している可能性がある。」
日本政策投資銀行がこんな分析をまとめています。
中国では1人っ子政策の影響で急速な高齢化が進んでおり、社会保障費の増加が急激な財政悪化を招いています。
→関連記事「恐るべし、中国人。恐るべし、中国の人口問題。」
政投銀の試算によると、2004年の中国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字は2100億元(約3兆円)。
GDPに占める割合は1.5%で、日本の4%(05年度予算)に比べればまだ低いですが、財政赤字は着実に進んでいます。
日本も過去、
急激な財政悪化とデフレが同時進行で進んで、株価はどんどん下落してきました。
ところが最近、改革の芽を感じた海外投資家の資金と、株ブームの個人投資家の資金が入り、日本の株価は
再度日が昇ってきました。今後日本株は楽しみです。
ライブドアショックは一時的な要因に過ぎません。
ところでライブドアショックについてですが、
ついに死者がでてしまいました。
その見解として、こちらにとても解りやすく興味深い記事が書かれています。
→参考サイト「ライブドアの今後とマーケットの行方」
さて、中国のお話に戻します。
中国政府がどのタイミングでどんな改革を断行するか?
今後このテーマに注目です。
改革が遅れてこのままダラダラと財政赤字とデフレが急激に進むようになれば
中国は、90年代の日本と同じ
バブル崩壊→デフレの道を歩む可能性もでてきます。
私は香港企業の株は別として、中国株(H株、上海、深セン)はそろそろ売り時と見ていますが、
人民元の切り上げ観測等も考慮すると、売り時はなかなか難しいです。
→関連記事「人民元2%切り上げ、そして通貨バスケット制を導入」
中国株ホルダーのみなさん、
いつまでも持ちっぱなしで火傷をしないように気をつけてください。
中国株だけではなく、
分散先としてタイ・米国・北欧・インド・ブラジルあたりが面白いと思います。
人気の高い投資関連ブログはこちら
→関連カテゴリー「アジア株」
→関連カテゴリー「米国株」
→関連カテゴリー「投資信託」
中国株「下げ」こそ買い!―中国政府の引き締めは絶好の買い場!1億円長者が続出した中国株投資だが、中国政府のバブル引き締めによって今年4月から下げ相場を演じ、現在はやや持ち直した
ところ。これからの中国株投資で儲けるためには、今まで以上に情報に敏感になって確かな銘柄を選択する必要がある。
関連商品
中国株二季報2006年春号
いちばん賢い中国株
1億円に大化け!「中国株」絶対法則
Posted by causeway_bay at 11:23│
Comments(6)│
TrackBack(0)│
Edit