香港資産運用奮闘記ASEAN・極東 > アジア企業の2005年末株式時価総額ランキング
2006年01月23日

アジア企業の2005年末株式時価総額ランキング

本日の日本経済新聞中国アジア面からの引用です。
「アジア企業の2005年末株式時価総額、韓国勢が躍進」

日本を除いたアジア企業の株式時価総額を2005年末時点でランキングしたところ、
2004年比で韓国勢が大きく躍進し、韓国経済の復調を背景に投資家の注目度が高まりました。

世界的な半導体及び周辺機器メーカー、サムスン電子がアジアでの株式時価総額を第2位にのし上げ、
国民銀行韓国電力公社現代自動車ポスコウリィ銀行などがトップ20入りを果たしました。

野村インターナショナルの集計によると、対象企業の時価総額は約2兆961億ドル(約241兆円)で、
12ヶ月前と比べて、約20%増加
しました。首位は前年と変わらずHSBCです。

順位昨年企業名業種市場時価総額
(百万USD)
前年比
増減率(%)
11HSBC銀行香港181,847▲4.9
23サムスン電子半導体韓国96,06250.8
32中国移動(香港)通信香港93,52140.2
45台湾積体電路製造半導体台湾47,05426.3
54ハチソンワンポア通信・港湾香港40,6071.8
610中国海洋石油石油香港27,79926.1
77シンガポールテレコム通信シンガポール26,2018.1
821国民銀行銀行韓国25,46694.7
96恒生銀行銀行香港24,9546.1
1014韓国電力公社電力韓国23,96945.1
119長江実業不動産香港23,7672.9
128新鴻基地産不動産香港23,3812.6
1319鴻海精密工業電子部品台湾22,13350.5
1425現代自動車自動車韓国21,09381.0
1511中国銀行(香港)銀行香港20,3180.6
1615ポスコ製鉄韓国17,42911.3
1738中国石油天然気石油香港17,28084.1
1812中華電信通信台湾16,68512.3
1962ウリィ金融グループ金融韓国16,033149.5
2017台塑石化石油台湾15,8935.4


では、ひとつひとつ国ごとに見てみましょう。

【韓  国】
サムスン電子が昨年の3位から2位に浮上し、同社の時価総額は961億ドルと、前年度比較で約51%も増加しました。
日本の同業社キャノンの時価総額の約2倍にあたる金額です。

半導体メモリ世界最大手のサムスン電子は、株式時価総額は韓国市場の1〜2割程度を占め、韓国株式市場で
圧倒的な存在感を出しています。

ソウルのまち韓国最大手の国民銀行は8位、韓国電力公社が10位、現代自動車が14位、
ポスコが16位、ウリィ金融グループが19位とすべて株式時価総額を膨らませ、
韓国勢はアジア市場でも圧倒的な存在感を見せています。

いずれも、韓国の昨年来の景気回復に伴う業績拡大へ期待値から、韓国株に
投資家の資金が流れ込んできました。
現代自動車は、小型車を中心とする北米向け市場や中国市場での成長が、
欧米人投資家に評価されています。

→2005年の株価上昇率アジアNo.1の韓国株に投資する方法とは?


【中  国】
香港上場の中国勢も、高成長を追い風として健闘しています。
中国最大の携帯電話会社、中国移動(香港)は、順位は下がりましたが時価総額は約40%の増加させ、
日本のNTTドコモを追い抜きました。

石油会社の中国海洋石油(CNOOC)中国石油天然気(ペトロチャイナ)なども、原油高に支えられ、
それぞれが大きく時価総額を上げました。
→関連記事「中国3大石油、最高益。海外で権益拡大急ぐ構え」


【台  湾】
台湾勢では、半導体受託生産大手の台湾積体電路製造が4位、ゲーム機などの受託生産大手の鴻海精密工業が13位。
これは、台湾でのハイテク景気の回復期待が背景にあると言われています。
逆に、18位の固定電話最大手の中華電信の時価総額は2桁減少しています。これは携帯各社との競争激化や、
民営化に向けた台湾政府国有株の放出が需給悪化につながるため、投資家に敬遠されてきています。



【香  港】
香港勢は状況が違い少し苦戦しています。上位20社中時価総額を減らした企業は4社ありました。
時価総額首位を独走するHSBCですが時価総額は約5%減少し、ハンセン銀行も約6%減少しています。
→関連記事「ハンセン銀行(HK0011:Hang Seng Bank Ltd)が約定されました」

香港は昨年、米国の利上げなどで資金が流出し、釣られて香港も金利が急上昇しました。そんなわけで昨年夏以降、
香港ドル普通預金は、なんと2.0%というめちゃめちゃ利回りの高い金融商品に生まれ変わってしまいました(笑

恐らく、50万円程度でパワーバンテージを開設して「口座維持手数料かかるから早く送金しなくちゃ」と思ってたら、
手許に届いたステイトメントを見て、「口座維持手数料より毎月もらえる利息のほうが高かった!」
と、ちょっとびっくりしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

昨年夏頃に口座を開設した方は、まだ円高でしかも香港ドルの金利も上がってしまってウハウハですね。
香港の銀行からしてみれば、それだけ金利負担が増えましたから収益に大きな影響があったのでしょう。

しかし、2006年の香港経済は好調を維持するとの見方があります。
ハンセン指数は年初から4%以上の上昇を見せていますが、モルガンスタンレーは最新レポートで、
2006年度中にハンセン指数がさらに上昇し、17350ポイントまで上昇するだろうと予測
しています。

その理由として
1.香港の2006年GDP成長率が6.8%に達する見通しである
2.米国+香港で利上げが打ち止めとなり、インフレが加速する
3.対米ドルで人民元が上昇する


などがあげられます。
このレポートを信じるならば、2006年は上記の理由でハンセン指数銘柄を買っておけということでしょうか。

ちなみに日本の企業ですが、上の表に埋め込むとすると、

トヨタ自動車はHSBCの次にランクインされます。
NTT、三菱東京フィナンシャル、みずほフィナンシャル、ホンダは中国移動(香港)の次に
ランクインされますので、日本の企業もだいぶ健闘しています。
→関連記事「復活日本?!なお成長途上(株式時価総額世界ランキング)」

人気の高い投資関連ブログはこちら

世界最強企業サムスン恐るべし!―なぜ、日本企業はサムスンに勝てないのか!?
世界最強企業サムスン恐るべし!―なぜ、日本企業はサムスンに勝てないのか!?
北岡 俊明 ディベート大学

関連商品
サムスンの研究―卓越した競争力の根源を探る
韓国企業モノづくりの衝撃 ヒュンダイ、サムソン、LG、SKテレコムの現場から
三星(サムスン)の技術能力構築戦略―グローバル企業への技術学習プロセス
サムスンCEO
サムスン電子―躍進する高収益企業の秘密
by G-Tools



香港資産運用奮闘記ASEAN・極東 > アジア企業の2005年末株式時価総額ランキング


この記事へのトラックバックURL
    この記事へのコメント
  1. いつも楽しく拝見させていただいております。
    投資のいろんなことに興味があり、牛歩のように進めております。^^;

    資産運用その他の事で書ければよかったのですが。。。
    先日、Kzさんが行ったクンメー2に行ってきました。笑。
    マスター?とお話を少しして盛り上がったら、なぜか
    帰り際に灰皿を頂きました。
    ”なにかしてやろう”って暖かい気持ちをもらいました。
    楽しいひと時を過ごせてよかったです。
    おいしい情報、ありがとうございました。

    ではでは。
    Posted by akasakaten at 2006年01月23日 18:08
  2. JOYです。
    香港ドル普通預金が日本人からみてすごく良い商品にみえてきましたよね。わざわざリスクを負わなくても、堅実に増えそうな気がして、日本人好みの商品になっちゃうかも知れないですね。香港ドル定期は金利優遇を使えば3%は当たり前の商品になりつつあるし、今後アメリカの利上げがあれば連動して香港も利上げがあるでしょうから、香港株や投信の購入を悩んでいる読者の皆さんは、香港ドル定期に流れるかもしれませんね。それも勉強の1つで良いのではないでしょうか?

    新しいブログをオープンしましたので、ぜひ遊びに来てくださいね。
    今回は、日本と世界の政治・経済に限定したブログの予定です。投資関連が主になってくるとは思いますけどね。
    Posted by JOY at 2006年01月23日 18:15
  3. akasakatenさん

    こんにちは。コメントありがとうございます。
    おぉ!行かれましたか、クンメー2。
    暖かい雰囲気のなかなかイイ感じのお店ですよね。

    そのうちお店でお会いするかもですね!
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
    Posted by kz@銅鑼湾 at 2006年01月24日 12:55
  4. JOYさん

    こんにちは。コメントありがとうございます。
    香港ドル普通預金は今美味しいですね。

    いざというときのバーゲンセールに備えたいこともあり
    HKDのポジション増やしたいですが資金がありません(涙

    新しいブログ、これから遊びに行きまーす。

    Posted by kz@銅鑼湾 at 2006年01月24日 12:56

 ※コメント入力時に、引用文に全角の「>」をつけると赤の太字で強調表示されます