ライブドアの堀江社長をはじめ計4名の逮捕者が出てしまいました。
世の中はライブドアショックで、テレビも新聞もライブドア一色ですね。
しかし
その件に関するブログは星の数ほどありますから当サイトでは触れません。
タイの
シンコーポレーションに関する売却のニュースがありましたので、
それについて書いてみたいと思います。
本日の日本経済新聞国際面からの引用です。
「タイ首相一族、傘下の持ち株会社売却。政権浮揚へビジネス撤退」
タイの
タクシン首相一族がオーナーを務める通信関連の持ち株会社
シンコーポレーションは
1月23日、一族が保有株式をシンガポール政府系の投資会社
テマセクホールディングスなどに
733億バーツ(約2100億円強)で売却したと発表しました。
この売却価格は、
東南アジアのM&Aとしては過去最大級の金額になります。
※シンコーポレーション(SHIN.BK)株価推移
タクシン首相は、一族企業への利益誘導の疑いを払拭し、政権のさらなる浮揚につなげ、
政治活動だけに、お金や時間その他様々な資源を集中するのが狙いだそうです。
タクシン首相一族が保有する
シンコーポレーションの
発行済み株式の49.6%を1株49.25バーツで、
テマセクホールディングス、
サイアム商業銀行、
その他タイ人投資家グループが運営する投資会社に売却。
TOB(株主公開買付)も実施するため、実際の買収額は一段と膨らんでいく可能性は高いとのですが、
今後
事実上の筆頭株主は、テマセクホールディングスになります。
シンコーポレーションは、タクシン首相が政界入りする前の
1983年に設立され、携帯電話最大手の
アドバンストインフォサービスなど、40社を超えるグループの中核企業で、
時価総額は1400億バーツです。
この時価総額は、タイ企業のうち第9位にのぼる金額です。
グループ内には、
携帯電話をはじめ、
格安航空会社、
消費者ローンなど、
政府の許認可を必要とする分野が多く、
利益相反の可能性からタイの国民や野党の批判が絶えなかったようで、今回の思い切った決断をしたようです。
シンガポール国内投資が伸び悩む中で、海外展開を加速している
テマセクホールディングスの
今回の狙いは、
携帯電話最大手のアドバンストインフォサービスと見られています。
同社は
タイの携帯電話市場で5割以上のシェアを握る、時価総額が第3位(約9400億円)の有力企業です。
※アドバンストインフォサービス(ADVANC.BK)株価推移
テマセクホールディングスの傘下には
シンガポールテレコムという
シンガポールNo1の通信会社があり、
この
シンガポールテレコムも、99年からアドバンストインフォサービスの大株主になっています。
ちなみにこの
シンガポールテレコム、先日の記事
「アジア企業の2005年末株式時価総額ランキング」に掲載されていますが、
日本を除くアジア全体での時価総額第7位にランクインしています。
テマセクホールディングスでは、
アドバンストインフォサービスへの議決権を一段と強め、
シンガポールテレコムを使って、タイで今年からはじまる携帯電話第3世代サービス(3G)で、
東南アジア全域の攻勢を掛けていくものと見られています。
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Posted by causeway_bay at 10:43│
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