間もなく中国は旧正月です。今年の旧正月は1/28〜31でしたかね、たしか。
「中国人の個人投資家は、旧正月に入る前に自分の金融資産を一度現金化して整理する」
という傾向があり、中国株は旧正月前に売りが多少強くなり、少し安くなる傾向にあるそうです。
さらに
TISCO証券のトピックによると
「中国の消費は2006年も堅調な伸びを見せ、弊社は中国の小売銘柄を推奨」
中国向けの小売銘柄は2006年大幅な業績アップが見込まれる。という推測のもと
「割安な中国向け小売業銘柄」
をテーマにして香港株を探してみました。
ジョルダーノ(0709アパレル)、
ボッシーニ(0178アパレル)、
ササインターナショナル(0592ドラッグストア)
この3社は香港に行けば、
犬も歩けばぶち当たるほど
あちこちに店舗があります。
→関連記事「香港発ファッションブランド」
私は香港に行くたび現地で簡単な着替えを購入しますが、
ジョルダーノか
ボッシーニで買います。
整髪料や洗顔フォームなどを買うときは、
ササ(沙沙)、もしくは街の個人商店ですね。
3つともとても身近で、ビジネスモデルが分かりやすく、ブランド力が強固なものになっているのが特徴です。
【HK0592:Bossini International Holdings とは】
中でも
ボッシーニは、
香港33店、中国556店、タイ59店、シンガポール28店、台湾99店、フィリピン11店、
インドネシア10店、その他マレーシア、ネパール、UAE、キプロス、ドミニカ、コロンビアなど
日欧米を除く
世界各国に店舗を持っています。(日欧米を除いた世界各国ってところがなんか戦略的な匂いを感じますな)
特に中国の消費市場を考えると、
中国大陸での店舗網が556店舗というところがボッシーニの魅力です。
ジョルダーノは高価格帯ブランドも手がけていますが、ボッシーニは少し安め。でもユニクロほど安くない。
ボッシーニは米国のカジュアルウェアブランドGAPと少し似たようなイメージを持っています。
※HK0592:Bossini International Holdings Ltd 株価推移
ボッシーニの株価は今日現在0.86香港ドル。米国の利上げの影響で香港から資金が逃げたこともあり、
昨年春の2.0香港ドルから徐々に下げて、昨年末あたりから1.0香港ドル切りました。
それと、香港の不動産が上昇し店舗家賃価格の値上がりも株価に影響しているのでしょう。
→関連記事「香港の不動産投資信託「Link REIT(領匯房地産投資信託基金)」
PER(株価収益率)は、7倍程度とだいぶ割安になっています。そこそこのバリュー価格です。
配当利回りは6.5%以上となかなか高めです。
2001年〜2005年まで、5期連続で売上増を達成していますが、2002年、03年と2期赤字を出しており、
2期連続で赤字を出してしまう経営体質に少し疑問を抱きましたが、この赤字の直後2004年、05年と
大幅な売上高の増加を記録していますので、この赤字は急速な店舗展開・設備投資によるものでしょう。
キャッシュフローも、2003年は営業活動のみではマイナスで、多額の資金調達が必要でしたが、
04年以降キャッシュフローは大幅に改善され、05年度決算では売上高約2か月分(約50億円)に匹敵する
多めの現預金を持っているのも特徴です。
ただこの手の多店舗展開の企業は、前述した通り
香港や中国の不動産市況(家賃価格)に大きな影響を受け、
店舗家賃の値上がりによっては大きく収益を圧迫する可能性もありますのでそのあたりが懸念材料です。
対する
ジョルダーノと
ササインターナショナルもなかなか魅力的なんですが、今回は資金的な都合と、
この2社は
PERが18倍とボッシーニよりも若干高め、ということもあり購入は見送りました。
しかし、どちらも昨年春あたりから徐々に下げていますので、どれも捨てがたい銘柄ですね。
【香港型SPAとは】
ボッシーニのような業態は
製造小売業(SPA)と呼ばれています。
自ら商品を企画立案し、人件費の安い中国やベトナム、スリランカなどの縫製工場に生産を発注しています。
「ユニクロと似ているなー」とお思いの方も多いかと思いますが、実際ユニクロがそのビジネスモデルを構築する際に
最も研究したブランドがジョルダーノなのです。ユニクロの先生みたいなものです。
香港は、世界最大の衣料品生産基地である深センの入り口にあたる、欧米アパレル企業の生産拠点です。
アメリカでも、
GAPや
バナナリパブリックなどのカジュアルウェアはその商品タグを見てみると、
「Made in china」「Made in Cambodia」「Made in vietnam」といった表示を多く見かけます。
そこで欧米アパレル企業からノウハウを学ぶ形で
香港型SPAは誕生して成長していきました。
要は、ジョルダーノ、ボッシーニなど香港のアパレル小売業は、ビジネスモデルがアメリカ型なのです。
米国人投資家が好んで買う理由も頷けます。しかし利上げの影響で
「アメリカのほうが利回りが高いぞ!」と、
米国人投資家が、みな米国に資金を戻してしまったのです。だから昨年後半以降、株価は徐々に下がっています。
仮に今後、株価が上昇トレンドに入り、昨年春の2.0香港ドルの株価水準まで戻れば2倍以上に増えてくれます。
今回、0.86香港ドルで20000株約定されました。2006年の香港の小売業が楽しみです。
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Posted by causeway_bay at 19:06│
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