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2006年02月08日

BRICs諸国の個人向け融資3倍超。過去4年住宅ローン増加

本日の日本経済新聞国際面からの引用です。
「BRICs諸国の個人向け融資3倍超。過去4年住宅ローン増加」

急ピッチの経済成長が続く有力新興国BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)で、
個人向け融資が過去4年間で3倍強に膨れ上がったことが分かりました。
→関連記事「Q10.BRICsって何ですか?紅茶のことですか?(・ω・;」

各国の所得水準の向上に伴って消費社会化が急速に進み、自動車ローンや住宅ローンなどを
中心とした個人向けローンの需要が急拡大しています。
銀行取引は今後も拡大が見込めるため、世界の大手銀行はBRICs市場の開拓に力を入れています。

BRICs各国の個人向け融資の伸び率
















米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の調べによると、
BRICs圏の個人向け融資残高は、2001年末の1450億ドルから2005年末に4770億ドルへと拡大しました。
過去4年間を見てみると、4カ国の加重平均で、融資額が年率40%の勢いで増加しているようです。

なかでもロシアは、2005年の個人向け融資残高は2002年と比較すると9倍を超える勢いで、
それだけ消費市場が拡大しているということが言えます。
しかし一方で、これだけ急速に個人ローン残高が増えてしまうことで、不良債権化の問題もあります。

私見ですが、長年社会主義国家として君臨してきた中国やロシアに、欧米金融機関のような
与信能力があるとは思えません。
このまま増え続ける個人ローンに対してどれだけの回収率が見込めるか、
そこが、中国やロシアの金融機関に課せられた課題でしょう。

特に中国などでは「戦略的不良債権(Strategic NPL)」が問題になっています。
戦略的不良債権とは、お金はあるけれど払いたくないのでわざと借金を払わないことをいいます。
お金を隠し持って、借金を戦略的に踏み倒すので、戦略的不良債権と言います。
なんとも呆れた話ですが、中国人の国民性を見事に反映している社会問題だと思います。

インドは、英国の植民地時代を長きに渡って経ています。
スタンダードチャータードの拠点があるように、もともと英国の優良金融機関が数多く進出しており、
その金融制度も英国の植民地時代を踏襲しているものになります。

以前、スタンダードチャータードの担当者がこんなことを言ってました。
「英国のスタンダードチャータードの方針は、基本的に誰にでもお金をお貸しすることです。
倒産寸前の会社にもお金を貸します。しかし貸倒の確率から金利は非常に高く設定します。」

→関連カテゴリー「スタンダードチャータード銀行」

インドの個人向け融資残高が増えても、お金を借りるにはこのような背景があるようですから、
中国やロシアの個人向けローンの性質とは、またちょっと状況が違うでしょう。

ブラジルは・・・、よく分かりません(笑)が、以下の記事もお読みいただけると幸いです。
→関連記事「ブラジル、2004年は5.2%の経済成長だった!」
→関連記事「ペトロブラス、12億8000万ドルかけてタンカー調達」
→関連記事「Merrill Lynch ラテンアメリカファンド」

これらの4カ国で大衆層に銀行取引ニーズが広がってきたことを踏まえて、日欧米の主要大手行も、
BRICs各国のリテール業務の拡大に本腰を入れ始めています。S&Pは、個人向けの融資残高が
2009年には昨年末の約4倍の1兆8000億ドルにも膨れ上がると見積もっています。


どちらにしても、これらのBRICs各国の消費産業や銀行業は面白いのではないでしょうか。
BRICs各国に消費物資を輸出している、日欧米の企業も今後楽しみですね。

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    この記事へのコメント
  1. 個人向けとか、住宅ローンを増加したいつもりだった。


    Posted by BlogPetのラッキィ at 2006年02月08日 11:07

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