アジア域内で、外国人の長期滞在誘致に向けた施策を展開する国が目立ってきています。
マレーシアやタイなど、安定成長を続ける
東南アジア主要国や台湾などが、相次ぎ在留資格などの
要件緩和や施設の整備を推進しています。
日本で2007年からはじまる
「団塊世代の大量退職」を視野に入れて、安価な生活インフラを武器とし、
快適な外国定住生活を求める外国人の受け入れ拡大を戦略的に行っています。
各国のこのような動向を考えると、今後我々日本人にとって、
アジア各国での、セミリタイヤ・長期滞在などは、
まずます現実味を帯びた身近な選択肢になってくるでしょう。
このような事例を含め、アジア経済のブロック化は急速に進んでいます。
それでは今日の新聞に載っていた各国の長期滞在者誘致に向けた動きをご紹介します。
【マレーシア】
長期滞在誘致の先進国マレーシアでは、
「マイ・セカンドホーム・プログラム」を打ち出す政府が、
1月から入国ビザの有効期限を従来の5年から10年に延長しました。
定期預金として、マレーシア国内銀行への預け入れを義務付けている
在留外国人の資金に関する使途制限も緩和し、移住後1年が経過すれば、
国内上場企業への株式投資も可能になりました。
富裕層の外国人に照準を合わせて、誘致策を経済活性化にも役立てる戦略です。
同国は1987年に外国人誘致策に着手し、すでに8000人の長期滞在者を受け入れた実績があります。
【タイ】
施設整備を急速に進めているのがタイ王国です。
政府観光庁が筆頭株主となって設立した、
「タイ・ロングステイ・マネジメント社」が
日本など11カ国からの長期滞在者誘致を強化しています。
「3年間に2000億バーツ(約6000億円)を投資し、
国内10万室の外国人向け滞在施設を造る」
最近、このようなプランも発表しました。
昨年10月には
バンコクや北部チェンマイなど12都市を「ロングステイ都市」に指定し、また、
緊急時の対応相談などに当たる、「24時間日本語コールセンター」の設置も検討しています。
日本人向け商品として、パッケージ化した滞在支援サービスも始めたいとのことです。
→関連記事「タイをもっと知りタイ!バンコク〜チェンマイ1日目!(10/SEP/2005)」
また、すでにメジャーですが、タイラドエリートカードも健在です。
【フィリピン】
フィリピンは日本人誘致に特化する構えを見せています。
3月20日の東京セミナーを皮切りに、年内に大阪など日本各地で、
長期滞在希望者向けセミナーを開催、フィリピンでの生活モデルや
各種手続き等を紹介する予定です。
フィリピン政府認定の国内受け入れ施設は、2004年の3倍にあたる60箇所を突破し、
2006年は長期滞在者の
受け入れ目標2000人のうち、半数である1000人の規模で
日本人誘致を目指しているそうです。
【台湾】
台湾でも外交部(日本の外務省に相当)が、今年2月、
55歳以上の日本人退職者向けに「180日間までの滞在が
可能な特別マルチビザ」の発給をはじめました。
同ビザ取得には、50000ドル以上の財力証明が必要とのことですが、
帯同する配偶者の年齢は問いません。
こういったアジア各国の動きの背景には、
日本などを含めた先進国で少子高齢化が急速に進み、
これら先進国における、高齢者層の外国移住への関心が高まっているという背景があります。
日本人退職者の査証取得件数は増加する一方。
外国移住支援にあたる日本の財団法人
「ロングステイ財団」の会員法人数は今年3月で2003年の3倍に増えました。
「物価が安く、十分な生活インフラを備えた外国を選び、その国で年金や貯蓄を有効に使って暮らしたい」
そんな人たちが、日本には増えています。海外移住本や海外での資産形成本なども多数出ています。
アジア諸国の長期滞在者誘致策は、そんな人たちの希望に応じる動きです。
Posted by causeway_bay at 15:59│
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