本日の日本経済新聞国際面からの引用です。
「タクシン首相、国王と出会い、一転辞意表明」
昨晩テレビを見てましたら、画面上段にニュース速報が表示されました。
タクシン首相、ついに辞任してしまいましたね。少し残念な気持ちですが。
タクシン政権は、
積極的な外資導入、輸出促進、地方振興策、自由貿易協定(FTA)締結戦略など、
独自の政策を猛スピードで展開し、
年平均5〜6%の経済成長を実現しました。
→関連記事「タイの経済成長と人口ピラミッド」
→関連記事「タイ自動車生産100万台突破へ 〜タイはアジアのデトロイト〜」
しかしその反面で、
軍国トップの陸軍司令官や警察副長官などをタクシンの親族で固め、
一族で支配する持ち株会社シンコーポレーションを通じ、携帯電話や格安航空など、政府の許認可が
必要な分野に次々と進出し、野党や国民等の批判にさらされてきました。
そのような批判を決定的に爆発させたのが、つい先日の持ち株会社
シンコーポレーションの売却。
この売却には、膨大な資金が動いているものの、
売却益の不透明な税務処理が国民の非難を浴び、
今回のような結末になりました。
→関連記事「タイのタクシン首相一族、傘下の持ち株会社を2100億円で売却」
タクシン首相の辞任声明要旨は以下の通りです。
・今は国民が和解し、協力するときだ。そのために次期首相指名は受けられない
・国王の在位60周年記念式典が60日後に迫っており、それが指名を受けない主要な理由
・有権者が選挙で投票して、タイの民主主義を維持したことに感謝する
・国王のために国民が団結しなければならず、けんかしている時間は無い
・タイ愛国党の党首と議員の座には今後ともとどまる
今回は事態を長引かせると、タイの経済に大きく影響することを懸念した、タクシン首相の
最善策の決断だとは思いますが、
「国王頼み」というタイの国民性も否めません。
今回の退陣から6月の国王在位60周年式典までの約2ヶ月間、タイの株価がどのように動くか見ものですが
中期的な投資スタンスにおいては、「買い」の2ヶ月間になるような気がします。
と言っても、今のところ、株価にはそう大きな影響はないようなのですが、さすがにタクシン一族の
シンコーポレーションは大きく暴落しているようです。
しかし、以前に記事に書いたように、シンガポール政府系の
テマセクホールディングスが
シンコーポレーションの株式を半分近く保有しており、
中期的にはシンコーポレーションも買いかなと。
→関連記事「タイのタクシン首相一族、傘下の持ち株会社を2100億円で売却」
※シンコーポレーション(SHIN.BK)株価推移
テマセクホールディングスは、
シンガポール政府によって設立された戦略的投資会社であり、
現在シンガポールが置かれている状況(マレー半島先端の小国であり、水・食料・資源・物資をほぼ輸入に依存など)
を考えますと、投資で失敗は許されません。シンガポール国家の明暗を大きく分けてしまいます。
→関連記事「スタンダードチャータード銀行の筆頭株主にシンガポールテマセクホール」
そんな
テマセクホールディングスが投資先として選んだ
シンコーポレーションが、
現在このような一時的要因によって株価が暴落しているのは、ある意味バーゲン期間かもしれません。
シンコーポレーションの株価、ここ数日は目が離せません。
ドラさんの記事も参考になります。是非読んでみてください。
→関連記事「初心者ドラの香港資産運用記>タイの行方」
Posted by causeway_bay at 10:56│
Comments(2)│
TrackBack(1)│
Edit