香港資産運用奮闘記アジア株 > アジア株上場しやすく「預託証券」来年にも解禁
2006年04月27日

アジア株上場しやすく「預託証券」来年にも解禁

本日の日本経済新聞一面からの引用です。
「政府・東証方針、アジア株上場しやすく「預託証券」来年にも解禁」

日本政府と東京証券取引所は、アジア企業などが発行し株式と同等の機能を持つ
円建て証券の上場を来年にも認める方針であることを発表しました。


米国などで一般化している預託証券(DR)の日本版で、日本の個人投資家などはアジアの新興企業に
円建てで国内株と同じように投資することが可能になります。
海外企業が簡易に上場できるようにして、日本に資金を呼び込み、経済を活性化する狙いもあります。

日本版預託証券(JDR)の仕組み

















【預託証券(Deposiary Receipt)とは?】

現物株式の発行が難しい企業が、母国外での資金調達のために発行する代替証券のことで、
米国市場で流通する米国預託証券(ADR:American Deposiary Receipt)が有名です。
→関連記事「アメリカの中の日本」

ちなみに今話題のBRICs。インド・ロシア・ブラジルなどの株式は、このADRを通じて購入が可能です。
→関連記事「Q10.BRICsって何ですか?紅茶のことですか?(・ω・;」

DRとは、信託銀行などが預かる原株式を担保に預託証券を発行するもので、母国と決済制度や流通に関する
制度が異なっている場合に活用されることが多いものです。
それと、お金の無いところ・必要なところへ、お金のあるところから資金を供給し、
グローバル経済を活性化するという意味でも、預託証券は大変大きな役割を果たします。

外国の現物株式を購入した場合は、株主総会の召集通知が投資家にきちんと郵送されなかったりと
いった問題も多々起きますが、預託証券なら業務を担う信託銀行が議決権行使などの手続きを
一括して代行してくれるため、株主の権利が守られやすいというのが特徴です。


【円建てでアジア株に投資が可能】

この新制度は、アジアの上場企業などが発行した株式を裏付けに、日本国内の信託銀行が現物株に見合う
額の預託証券を日本で発行し、東京証券取引所に上場させる仕組みです。

米国にある同様の制度(ADR)を使い、日本の企業は1970年代にニューヨーク証券取引所(NYSE)に
相次ぎ上場し、企業の成長と日本経済成長の足がかりにしてきました。

今回日本が同様の制度を整備することで、成長著しいアジア企業とそれらの国の経済発展が期待できます。

預託証券は日本国内で発行する証券のため、外国証券での運用を制限されたファンドなどの資金や、
アジア企業を投資先として選択する個人投資家の資金を呼び込めます。

特にファンド資金は、株式を小口の預託証券に分けるなどの柔軟な商品設計が可能になり、
投資家の裾野が拡大していくことが予想されます。

一方、国内の個人投資家にとっては、現物株にくらべて、手数料や送金の面などでアジア企業への投資が
しやすくなるというメリットがあります。

このような背景から、アジア株市場は来年度以降さらに熱くなっていくことでしょう。
来年、このJDR制度が整備されれば、ファンドなどの大型資金がアジア市場へ注入されることになります。
アジア株への投資は、このような制度が整備される前の今がチャンスです。




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    この記事へのコメント
  1. おっしゃる通りですね。私は今日新聞で見て驚きました。JDR上場以降はアジアの個別企業の情報が取得しやすくなると思うのでリスクが低減できるメリットを受ける一方で、日本から大きな額の投資が入るためのんびり構えていると、購入時にはすでに割高になってしまっている気がします。

    アジアの国ってどこでしょうかね?最初は中国、韓国、台湾等比較的近そうなところからですかね?
    Posted by koo4096 at 2006年04月27日 21:56

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