香港資産運用奮闘記税金 > 2〜3日間かかる税務調査を、せめて半日程度に短縮できないものか?
2006年05月22日

2〜3日間かかる税務調査を、せめて半日程度に短縮できないものか?

「kzさん生きてますか?お忙しいですか?」というメールをいただきました。
お心遣いありがとうございます。気がつけば、一週間更新してませんでしたね。

一応、kz@銅鑼湾は生きています(笑)ちょっとここのところ火を噴くほど忙しく、
ブログをなかなか更新することができませんでした。すみません。(^ー^;

5月末は私の中では一年を通して一番多忙な時期で、しかもその上クライアント先の
税務調査がスポットで立て続け的に入りまして、かなりぐったりな5月後半です(笑
→関連記事「税務調査の立会中にいつも思うこと」


【税務調査って一体何?どんなことやんの?】

通常、税務調査というのは会社経営者や個人事業主の方は一度は経験するイベントですが、
サラリーマンの方は、「税務調査って一体何?どんなことやんの?」と思っているでしょう。
そんな方たちのために、簡単にご説明します。

法人や個人事業主は、12ヶ月を一事業年度として、利益に応じた法人税ないしは所得税を
国家に申告し、納税することになっています。
この申告手続きはあくまでも自己申告ですから、この数字が正しいかどうかを、3〜5年に一度の
サイクルで、税務署員が会社の帳簿や請求書・領収書などの原始証憑を見に来るのです。


一度税務調査に入ると、通常2〜3日は会社にへばりついて、あらゆる資料を調べまくります。
ということで、その2〜3日は、私をはじめ会社の関係者たちは動けなくなるのです。
なので、会社の経営者にとっては通常の営業に、非常に支障をきたします。

そのような税務調査が月に3件もあれば、私は6〜9日間は、完璧に拘束されてしまいます。
そして、継続調査や修正申告などが発生しようものなら、その極まりなく生産性の低い仕事が、
数日間は延々と続くことになるのです。これが結構つらいです(苦笑)

ときどき、「社長さん、外出の予定がおありのようであれば、外出してきて構いませんよ」
と、気を使ってそのような一言を社長に投げかける税務署員もいますが、実際は自分が不在の間に、
一体何を調べられているのか気になって、会社にちょくちょく戻ってきたり電話を入れたりと、
多少なりとも通常業務に支障をきたしているのは紛れも無い事実です。

私は税務署と闘う 恐ろしい日本の未来
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副島 隆彦

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【で、税務調査はどのような手順で行うか?】

まず、初日の午前中は会社概要やビジネスの流れなど、全体的なことを社長にヒアリングします。
その後、会社の取引の中で金額の大きいところ(誤りがあればもっとも税金をとれるところ)から
順番に調べていきます。


金額の大きいところから順番に・・・とは、
具体的には、1.売上高と売上原価 → 2.人件費 → 3.一般管理費といった流れでチェックしていきます。
チェックして怪しいと思われるところは、税務署はすべて細かくメモをとり、元帳に付箋を貼ります。
そして電卓を叩いて、何やら意味不明な計算をしたりします。

と、まぁこんな流れで、通常ひとつの会社につき過去3期分程度を調査しますので、
丸々2〜3日間を要して、じっくり調べられるわけですが、これがとんでもなく非効率極まりない。

この丸々2〜3日間かかる税務調査を、せめて半日程度に短縮できないものか?
そこで、私から国税局への真心のこもった、たった3つばかしの提案があります。
税務署の方には、どうせメモをとるなら、↓ここから下の部分をメモをとっていただきたい。


【私から国税局への真心のこもった3つの提案】

1.調査の前に決算書をもっとスクリーニングしてください
・・・会社の帳簿すべてを見てては、時間はいくらあっても足りません。どこにどんな不正や誤りがあるか、
決算書数期分を、システマチックにスクリーニングして、調査すべき箇所をもっと事前に具体的に把握した後、
その部分を調査しにいらしてください。

少なくとも中小企業に任意調査にやって来る税務署員は、単なるノルマ消化のための税務調査であって、
3期比較・5期比較などほとんどやっていないように思えます。
そんな役所のノルマ消化のために、2日も3日も営業妨害されたのでは、とんだ迷惑です。

先日は、こんなやりとりもありました。

事例1)
税務署員:「消費税の控除の明細を見せてください」
わたし :「え?当社は簡易課税なので明細などありませんよ」
税務署員:「・・・あ、ほんとだ。簡易課税でしたね。すみません」


事例2)
税務署員:「社長は確定申告していますか」
わたし :「していませんよ。給与だけなので年末調整で済ませています」
税務署員:「会社から貸付金の利息を受け取っていますよね?これは申告していないのですか?」
わたし :「会社から受け取ってるのではなく、会社に利息を支払っているんですよ。会社に借りてるんですから」
税務署員:「え?」
わたし :「決算書をよく見てくださいよ。会社の支払利息ではなく、受取利息でしょ」
税務署員:「あ、ほんとだ・・・」


上記事例1も2も、わざわざ調査に来ることなく、提出された決算書ないしは申告書レベルで分かる問題です。
それらを、事前にまったく確認していないというのは、問題です。

こんなやり取りしていちいち説明をする、たった5分間が無駄です。
しかも、そんなことを説明するために、何人もの人が時間を割いているのです。無駄です。


2.税務署員にエクセルを使わせてください
・・・調査に来る税務署員は、必要な数字を紙にすべて記入し、それらを何度も電卓を叩いて計算しています。
もちろん手計算ですから、計算間違いも多々生じます。時間もかかります。
税務署員の必須道具は、ノートパソコンではなく、「電卓・鉛筆・消しゴム・付箋紙・レポート用紙」この5点です。
エクセル使わせるだけでだいぶ短縮化されると思うのですが。税務署にノートパソコンありますよね?
あれは何のために置いてあるのですか?道具は道具として、きちっと使いこなしましょう。


3.税務署員にもっとしつけ(マナー)を徹底させてください
・・・警察の取調べであるかのような言葉遣いをする税務署員も数多くいます。大変威張りくさって、
足を組み、タバコを吸い、言葉はタメ口、挙句の果てには悪を捕まえた刑事気取り。
「税務署=正義、税務調査を受ける者=悪」というバカな考えを捨ててもらいたいものです。

こちらはあくまでも、2〜3日の時間を割いて税務調査に協力しているのです。納税者であり協力者です。
そんな協力者を、はなっから犯罪者扱いして調査に乗り込んでくる税務署員が多くいます。
これは大変なさけない。。。。税務署員の根本的なしつけをなんとかしてほしいものです。


最近、橘さんの「不道徳教育」や、北村さんの「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント」という書籍の中で
リバタリアニズム(小さな政府主義)という言葉が取り上げられていますが、現在の日本の徴税システムも
同様の観点からすると、日本をどんどん衰退させていく要因と思われます。

税務署員の給与や退職金は、もちろん我々の税金から捻出されているわけですが、
税務調査には「1万円の税金をとるために、10万円の税金を使う」そんな光景が見受けられます。
超極論を言うと、差額の9万円が財政赤字でどんどん垂れ流されているわけです。


不道徳教育
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ブロック.W 橘 玲

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