香港資産運用奮闘記雑記 > 資産形成のキーワードその4「分散投資戦略 〜ひとつのセクターに集中投資はだめ〜」
2006年08月30日

資産形成のキーワードその4「分散投資戦略 〜ひとつのセクターに集中投資はだめ〜」

四つのキーワード最終回は「分散投資」について書きたいと思います。
このサイトをご覧の皆様は「分散投資ぃ?んなのあたりまえ。」と感じてることでしょう。

まぁ確かにあたりまえと言えばあたりまえ、珍しくも何とも無いテーマなのですが、
全4回にわたるキーワードの締めくくりですので、チラっと書かせてくださいまし(笑

さてみなさんご存知の通り、日銀が量的緩和政策を解除したことを受けて、今後日本では、
住宅ローンや企業向け貸し出し金利はじわりじわりと上昇することになりそうです。
→関連記事「Q21.日銀の量的緩和政策ってなんですか?(’◇’ゞ」
→関連記事「で、日銀の量的緩和政策解除でどうなるか?」

量的緩和政策解除に連動して、物価上昇局面の入り口にも差し掛かろうとしています。
だからこそこれまで以上に分散投資の出番なのです。


【デフレだとどうなる?!】

これまではデフレ下でしたので、

デフレ = モノの値段が下がる = 通貨の価値が上昇する

という構図でした。デフレ下ではいま1万円で1個買えるものが、時間が経過するにつれ
1万円で2個買えるようになるわけですから、1万円の価値は上昇することを意味します。

しかし「もうこれ以上下げようがないだろう」というくらい、デフレは最終局面を迎えています。
新聞に掲載されている日銀短観でも、「CPI(消費者物価指数)、○○%上昇」という記事を
よく見かけるようになりました。そうです、日本はインフレの入り口に差し掛かっています。


【インフレだとどうなる?!】

インフレ下では、もちろん上記のデフレとは全く逆の動きをしますので、

インフレ = モノの値段が上がる = 通貨の価値が下落する

という構図になります。インフレ下では、いま1万円で2個買えるものが、時間が経過するにつれ
1万円で1個しか買えなくなるわけですから、1万円の価値は下落することを意味します。


よってこれまでのデフレ下では、せっせとせっせと円建て預貯金をしていれば、低金利とは
いえども相対的に資産の価値は上昇していったわけです。


ポートフォリオは100%円建て預貯金で安全な運用と管理ができたわけですから、外貨建てや
株式・投信など、あえてリスクをとる必要性も少なかったのです。


しかし、インフレ下では円建て預貯金では資産価値が目減りするのです。そこでリスクを抑えた
安全資産と、リターンを期待して積極的に運用する金融商品を組み合わせた分散投資が必要になります。

ポートフォリオという難しそうな言葉が、家庭の主婦にですら身近なものになりました。
投資をする上で、ポートフォリオという言葉はよく耳にしますし、雑誌や新聞でも頻繁に出てくる言葉です。

ポートフォリオとは、もともとは紙バサミや折りたたみカバンという意味です。
企業や個人が保有する証券を紙バサミや折りたたみカバンにはさんで保管していたことから、
保有者ごとの資産内訳のことを指す言葉になり、最近では、様々な種類の資産の組み合わせ
といった意味で「ポートフォリオ」という言葉が使われています。

個人のライフスタイルという側面にも大きく関わってきますので、金融商品の組み合わせ方は
いろいろ考えられますが、それぞれの金融商品で期待した運用収益(リターン)が思いどおりに
得られなかった場合もしっかりと考慮した上で、各個人が自己責任を持って金融商品を選んで
いかなくてはなりません。

その結果、トータルでリスクを低減できるようにコントロールすることが、ここで説明する
分散投資の最大の意義であり、目標となります。


「分散投資」と一言で言っても、色んな分散方法が存在します。

1.市場の分散
-- 証券市場、商品先物市場、為替市場など、また日本、アジア、米国、欧州、BRICsなどといった
-- 投資先を分散させてリスクの軽減をはかる

2.通貨の分散
-- 円資産の運用だけでなく、米ドル、ユーロなど外貨建ての資産を組み入れることにより、
-- 価格変動のリスクや金利変動のリスク、為替変動のリスクの軽減をはかる。

3.時期・期間の分散
-- 一度にドカッと投資するのではなく、投資する時期や投資の期間を分散させて投資することで
-- 価格変動のリスクや金利変動のリスクの軽減をはかる。

4.金融機関の分散
-- 複数の金融機関に資金を分散させて、金融機関の破綻リスクに備える。


自分自身のライフスタイルやリスクレベル、将来の目標など様々な側面から考慮して、
以上4つの分散方法から自分自身に合ったポートフォリオを組み立てなくてはいけません。

ただやみくもに「儲かるから」「面白そうだから」「友人に教えてもらったから」という理由だけで、
金融商品を選別して組み込んではいけません。自分自身のライフスタイルを考慮した分散投資を心がけましょう。
→関連記事「投資で失敗する日本人」

・・・と、ここまでお話してもうお分かりかと思いますが、分散投資の手法には、第1回
「出口戦略」でお話した「将来の目標設定(出口戦略)」が投資の軸であり、必要不可欠
なってくるのです。さぁ、まずは出口戦略から固めてみましょう。
→関連記事「資産形成のキーワードその1「出口戦略 〜出口の見えない投資はだめ〜」」


「20××年、バリ島ホテル建設!」・・・もちろんこれも立派な(?)出口戦略です(笑)
→関連記事「バリ島ホテル建設についてその1 〜いくらあればホテル建設できるか?〜」
さぁ、はたしてkz@銅鑼湾は何年後に出口が見えるのか?!(笑

「ホントにやりたいこと」を見つけるには、なかなかおすすめの本です↓
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