サウジアラビア / UAE / クウェート / オマーン / カタール / バーレーン
以上6カ国を指します。この6カ国が2010年に向けて単一通貨の導入を目標に動いています。
→関連記事「投資先としてのGCC(Gulf Cooperation Council)諸国」
←UAE中央銀行総裁スウェイディ氏は、
「2010年から当初2年間は相場を米ドルに連動(ペッグ)させるが、
その後は3年かけて変動幅を徐々に拡げる管理変動相場制に移行し、
2015年には完全な変動相場制を実現したい」
と語っています。現在6カ国の通貨はそれぞれ米ドルにペッグしています。
UAE中央銀行が管理するUAEの外貨準備高に関しては、98%が米ドル、残る2%の大半がユーロです。
そこから徐々に米ドルの比率を引き下げて、「長期的に米ドル準備高を50%とし、将来的にユーロの割合を
高めていく」と発表しました。
ちなみに、日本円は
「日本銀行の厳しい管理下で金利を低く抑えられ、投資対象としては魅力が薄い」
と指摘し、準備通貨には不向きであると、UAE中央銀行総裁は言い放っています。
気持ちは分かりますが、そんなにアッサリと見捨てなくてもいいだろう(笑)
2010年導入予定の湾岸6カ国の単一通貨は、
欧州単一通貨ユーロをモデルとして導入するそうですが、
構想から導入までに約50年をかけたユーロと比べて、格段に早いスピードで実現しそうです。
以下の表は、GCC諸国に関するデータですが、これら6カ国の注目すべき点は、
「ほぼ単一民族(オマーンのみ異なる)、単一言語、単一宗教、そして主要産業が石油」
という、
ひとつの経済圏・文化圏としてまとまりやすいという性質を兼ね備えています。
それと、各国とも
ここ最近のGDP成長率の高さも見逃せません。
単一民族、単一言語、単一宗教という背景から分かるとおり、6カ国すべてが利害関係が一致しやすく、
異なる民族や宗教の国々が単一通貨を導入するのに比べ、
ベクトルが同じ方向に向きやすいのです。
アジアも単一通貨構想が無いわけではありませんが、それを実現するには少なくとも数十年要するでしょう。
これらの国々が単一通貨を導入する一番の目的は、
金利政策の自由度を高め、石油や天然ガスに頼らない経済構造を構築することです。
原油価格の影響を大きく受ける中東の経済は、BRICsのロシア同様、
経済が原油に依存しています。
そのような状況を打破するために、湾岸諸国が急ピッチで動いています。
しかもUAEに関しては、
「2030年までに、石油によるGDPの割合をゼロパーセントにする」
と、大胆な目標を掲げそのための戦略を次々と立ち上げています。きっと本当に実現してしまうでしょう。
欧州、アジア、アフリカの中間に位置し、地政学的に大昔から貿易拠点として発展してきた湾岸6カ国は、
新しい時代に対応した新時代の世界貿易拠点となるべく、急ピッチで経済整備を進めています。
→関連記事「UAE、カタール、バーレーンに相次ぎ国際金融センター建設」
→参考サイト「AME Info FZ LLC:Middle East Business And Financials」
→参考サイト「Gulf News Com」
→参考サイト「UAE Interact」
Posted by causeway_bay at 13:16│
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