今朝、いつも通り地下鉄に乗って日経新聞をパラパラめくっていると、
ここ最近よく見かける、
総二階建て旅客機エアバスA380(Airbus A380)の
一面広告が今日も目に入ってきました。
ふと見ると、そのなんか感動的なコピーに胸がじーんときてしまう私(笑
燃費をよくしたのは、未来へ飛んでいくため。
民間機として世界最大のその飛行機は、
燃費効率世界最高クラスの車に匹敵する低燃費性能を誇ります。
世界初の総二階建て飛行機、エアバスA380。
飛行機も環境性能で選択される、そんな未来が必ず来ると、
エアバスは真剣に考えています。
そのとき、選ばれつづけるためにも、
限りある資源のことを考えて開発された飛行機です。
さぁ、エアバスA380、世界の空へ。青空イノベーション。
こんなコピーに感動してしまうのは自分だけでしょうか(笑)
でも、CI(コーポレートアイデンティティ)って大変重要ですよね。
しかし、そんなエアバス社は大きなピンチです。
A380は先日、成田空港の滑走路でも試験飛行を行いました。
恐らく、日本への初飛行はシンガポール航空のシンガポール〜成田便になりそうです。
A380は電気系統の工程の遅れなどから、生産計画が大幅に遅れていて、
最初の1機目の納品は、当初計画より約2年遅れの、来年10月の引渡しに
なりそうな見込みです。
それに対し非常に怒っている航空会社があります。
UAEのエミレーツ航空です。
→参考サイト「エミレーツグループのサイト:The Emirates Group」
この2年の遅れが原因で、エミレーツ航空は10月31日に、エアバス社と交わしている別機A340-600
(400人乗り)の計20機、
総額40億ドル(約4680億円)の発注契約をキャンセルしました。
エミレーツ航空は現在、総二階建ての新型A380機は計45機を発注しています。
しかし、
「完成・引き渡しが遅れる点に関しては、あらゆる選択権を行使する」と言い切っており、
ボーイング社のB777機を追加発注するなどして、怒りの姿勢を崩しません。
エアバス社は来期の売上高を数十億ドル、下方修正しなくてはならなくなりました。
エミレーツ航空、大変強気の経営です。。。
航空業界で株式時価総額世界第2位を誇り、
同時多発テロやイラク戦争・原油高のこの航空不況においても
単年度決算で一度も赤字を計上したことがない(四半期決算では数回赤字あり)という、
シンガポール航空の
経営陣が、
唯一ライバル視している航空会社、それがエミレーツ航空なのです。(週刊東洋経済より)
シンガポール航空は、シンガポールの政府系投資会社テマセクホールディングスの傘下ですから
投資効率・ROI(return on investment)は相当シビアに計算尽くされたビジネスモデルを展開しているでしょう。
→関連記事「スタンダードチャータード銀行の筆頭株主にシンガポールテマセクホールディングス」
ちなみに
株式時価総額第1位は米国の格安航空会社サウスウェスト航空で、経営スタイルが異なります。
シンガポール航空とエミレーツ航空は、ビジネスクラスがいつも満席ということからも分かるとおり、
格安航空とは違った、
高付加価値・高額サービスで高い利益率をたたき出しています。
それにしても、エミレーツ航空のファーストクラスはすごいですね。
個室だし、天井はプラネタリウムだし(笑)一生に一度は乗ってみたいものです。
→参考サイト「エミレーツ航空ファーストクラス搭乗記」
ドバイはいま、約80人に1人が億万長者の都市らしいですから、ファーストクラスの需要がパンク寸前です。
高級ホテルも売り手市場で、相当前から予約を入れておかないと中々とれないそうです。
→関連記事「ドバイ(Dubai・UAE)のダンシングタワー(The Dancing Tower)」
→関連記事「湾岸6カ国単一通貨2010年導入、そして2015年変動相場制へ」
→関連記事「投資先としてのGCC(Gulf Cooperation Council)諸国」
→関連記事「米国の人口は3億人突破へ!人口増加率のトップはアラブ首長国連邦(UAE)!」
→関連記事「イスラムへの理解無しに海外投資は語れない? 〜イスラム金融のマネーが激流〜」
→関連記事「UAE、カタール、バーレーンに相次ぎ国際金融センター建設」
航空業界も格安と高級品とまっぷたつに二極化が進んでいますね。
JALはどっちの道を歩むのでしょうか?
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Posted by causeway_bay at 14:01│
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