イオンクレジットサービスは、日系企業としては初めて、イスラム金融での資金調達を行います。
マレーシアで、イスラム教の教義に即した金融方式を活用して、
4億リンギ(約136億円)を調達予定で、
調達した資金は、
マレーシア国内でのクレジットカード関連のシステム投資や事業資金に充てる予定です。
イオンクレジットは、イスラム金融の採用によって、より低コストでの多様な資金調達手段が確保され、
他の日系企業に先駆けて、新たな時代の資金調達ノウハウを構築しつつあります。
イオンクレジットの海外連結子会社は、
香港・タイ・マレーシア・台湾・中国・インドネシア・ベトナムと、
現在アジア諸国の7カ国で展開しており、今後消費市場の拡大が見込める地域を中心に、
クレジットカードや
ローンサービス、
決済代行サービスを展開しています。
中でも特に、
マレーシアは2613万人、インドネシアは2億1700万人を擁するイスラム教国ですから、
イオンクレジットは、合計2億4000万人以上のイスラム消費市場を相手にクレジットビジネスを行っているということです。
イオンクレジットのマレーシア法人が、イスラム金融方式を採用した短中期債券の発行枠を設定し、
三菱東京UFJ銀行マレーシアなどが主幹事をつとめ、本日15日にクアラルンプールで調印される予定です。
今回設定した発行枠は7年間有効で、この期間内に最長12ヶ月のCP(コマーシャルペーパー)と、最長5年の
中期債の発行が可能になり、金利5.0%だったマレーシアの銀行からの借入金と比べて、イスラム債での調達は
金利4.5%と低コストでの資金調達が可能になるそうです。
4億リンギ(約136億円)の資金を調達するわけですから、
金利が5.0%→4.5%(たった0.5%差ですが)になるだけで
単純計算で年間6800万円もの資金調達コストを浮かせることができるわけです。
イスラム教の聖典コーランによると、金融取引に関しては利子の受け払いを禁止しています。
そんな宗教的理由から、スクーク(イスラム債)は債券であっても、調達資金による投資で得られた
収益を、その収益額に応じて投資家に分配するという、株式のような性質を持っています。
その調達資金は、例えば豚肉加工・販売など、イスラム教の教義に反する取引とかかわりのない不動産事業や
システム事業などに投資されることが大前提となり、そのような資金調達手段をイスラム金融といいます。
→関連記事「イスラムへの理解無しに海外投資は語れない? 〜イスラム金融のマネーが激流〜」
世界のイスラム教徒の人口は、現時点では10億人を超えています。
言い換えれば、
地球に住む人間の約6人に1人がイスラム教徒であるということです。また5大陸全部において、
数多くの信徒を有しており、
イスラム教徒の3分の2がアジアに暮らしています。
しかも
パキスタンや
バングラデシュをはじめとして、イスラム圏の人口は急速に増え続けています。
インドや中国をも押しつぶさんばかりの勢いでイスラム教徒人口が増え続けています。
今後世界各国への分散投資を語る上で、イスラム教徒の動向抜きには考えられないでしょう。
↓こちらのサイトも大変面白く分かりやすく、とても勉強になります。
→参考「世界の人口」
湾岸諸国と北アフリカへの投資をご検討されている方は
こちらをご参照ください。
→関連記事「投資先としてのGCC(Gulf Cooperation Council)諸国」
→関連記事「状況によってポートフォリオの中味はすっかり代わってしまうファンド」
Posted by causeway_bay at 13:24│
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