香港資産運用奮闘記税金 > 海外の宝くじに税金はかかるか?
2007年01月16日

海外の宝くじに税金はかかるか?

ドバイの宝くじに関してですが、ParttimeTravelerさんから、
「万が一当選してしまった場合、日本居住者の場合の日本国への納税義務はどうなるのでしょうか?」
というご質問をいただきましたので、私の解釈の範囲でお答えさせていただきたいと思います。

ドバイの宝くじに関する詳細は以下の記事もどうぞ。
→関連記事「ドバイの宝くじ 〜Dubai Duty Free's Millennium Millionaire〜」
→関連記事「ドバイの宝くじの過去の当選データ 〜Millennium Millionaire's Winner〜」
→関連記事「ドバイの宝くじ 当選者結果通知(郵便) 〜Millennium Millionaire's Winner〜」
→関連記事「ドバイの宝くじ Series68いよいよ抽選! 〜Finest Surprise/DMM Draw Date〜」


当せん金付証票法(通称宝くじ法)

「当せん金付証票法(通称宝くじ法)」の第13条には、
「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」と記されているため、
所得税などの税金はかかりません。非課税扱いとなります。

これは、宝くじの収益金の一部が初めから地方自治体の財政に充てられることになっているため
もともと「購入した時点で半分以上が税金である」というかたちになっているためです。

なので日本の宝くじの場合は、もしも1億円が当たったら全額まるまる受け取ることができます。

しかし海外の宝くじの場合、その購入価格に日本の税金は含まれていないため、当選金には税金がかかると思われます。
通達の解釈からいくと、懸賞の賞金品、福引の当選金品など、競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金など
海外の宝くじは恐らくこれらの仲間に属する一時所得という所得の分類になるのではないかと思います。

一時所得の金額は以下の算式で計算します。

海外宝くじの税金1






もしも、日本居住者がドバイの宝くじ100万ドル(1億2,000万円)を当選してしまった場合ですが、上記の数式に当てはめ

海外宝くじの税金2





5,975万円が一時所得の額となり、これに税金が課されます。
5,975万円に他の所得も合算して総合課税になりますが、これだけの所得になると、所得税住民税合算で
ほぼ最高税率に近い、46.5%(所得税実効税率33.9%+住民税実効税率12.6%)になります。なので、

海外宝くじの税金3




2,778万3,750円(所得税2025万5250円+住民税752万8500円)を、日本に税金として納めなくてはなりません。
(細かな所得控除もろもろなどは、ここでは無視することとします)
納付期限は、当選金を受け取った翌年の3月15日までです。
※期限を超えるとアットローン並みの延滞税が加算されます(期限から2ヶ月間は年利7.3%、それ以降年利14.6%)


結論:日本居住者がドバイの宝くじ100万ドル(1億2,000万円)を当選してしまった場合、
「2,778万3,750円の税金がかかります。差し引き9,221万6,250円が手元に残る計算になる。」

言い換えると、31,000円(1,000UAEディルハム)の宝くじが、5,000分の1の確率で、
9,221万6,250円(リターン倍率2,974倍)になる
 ・・・ということですね。


このようなかたちになるのではないかとシュミレーションしました。(1ドル=120円で計算しています)
ただ、税務当局に確認とったわけではありませんので確実な情報ではありません。あくまでも憶測です。
もしも正確な情報をご存知の方がいらっしゃいましたら、コメント欄にご記入お願いいたします。m(_ _)m

それと、日本国内で海外の宝くじを購入することは刑法第187条によって禁じられています。

刑法第187条
1.富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2.富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100円以下の罰金に処する。
3.前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。


「富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する 」とあるように、販売者だけでなく
購入者も罪に問われることが示されています。
これは日本の法律ですので、海外において現地の宝くじを購入することは問題ありませんが、
海外の宝くじを日本国内で販売・購入することは固く禁じられています。

ドバイの宝くじは、ドバイに行って買いましょう。
→関連記事「ドバイの宝くじ 〜Dubai Duty Free's Millennium Millionaire〜」

湾岸諸国と北アフリカへの投資をご検討されている方はこちらをご参照ください。
→関連記事「投資先としてのGCC(Gulf Cooperation Council)諸国」
→関連記事「状況によってポートフォリオの中味はすっかり代わってしまうファンド」

●その他、ドバイに関連する記事は以下をご参照ください。
→関連記事「ドバイにてカメルーン人の仏銀バンカーに出会う」
→関連記事「今日から ドバイ(Dubai・UAE)へ行ってきます」
→関連記事「砂漠のオアシスドバイからです。この街すごすぎ・・・・」
→関連記事「エミレーツ航空のエコノミークラスは、メールの送受信ができます」
→関連記事「ドバイ(Dubai・United Arab Emirates)のDVDが完成しました」
→関連記事「HSBC Bank Middle East(ドバイのHSBC)でディルハム通貨を引き出す」
→関連記事「ドバイ観光には"THE BIG BUS"での移動がおすすめ」
→関連記事「ドバイの石油開発会社THANI INVESTMENTS(タニインベストメント)を訪問しました」
→関連記事「2009年の開業を目指すドバイの地下鉄(Dubai Metro)」
→関連記事「2016年の開港を目指すドバイの新空港ジェベルアリ国際空港(Jebel Ali Airport)」
→関連記事「ドバイの高級不動産はイギリスの5分の1の価格?!」






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    この記事へのコメント
  1. KZさん

    わかりやすい解説ありがとうございました。一時所得ということで経費と特別控除を引いた額の ×1/2が対象となるわけですね。
    てっきり、全額対象で総合課税になって、ほぼ半額お召し上げかと思っておりました(少しは安堵)。

    賞金もらう前にPT(perpetual or permanent)になれればいいのですが(笑)。
    Posted by ParttimeTraveler at 2007年01月21日 22:41
  2. ParttimeTravelerさん

    こんにちは。コメントありがとうございます。
    ドバイ宝くじ、当たるといいですねー。
    PTの状態で当たればさらに1.3倍美味しいですね。
    Posted by kz@銅鑼湾 at 2007年01月22日 11:32
  3. すばらしいホームページありがとうございます。


    この例の場合は、
    当選金を円に換えた場合を想定しているように読めるので、
    ひとつ質問をさせて下さい。


    つまり、
    ドバイ宝くじで当選してもその当選金を、
    ドルのままにしていた場合の税金はどうなると考えられますか?

    申告時のレートでみなして計算するのでしょうか?

    また、そうだとすると、
    たとえば、$1=\80の時に申告して申告は完了ですよね。

    でも換金していないわけなので、
    その後、(たとえば)$1=120円になった時に
    (その時を待って)円に換金すると
    どうなるのでしょうか?


    為替差益は一時所得で申告が必要でしょうが、
    提示させていただいたこの例の場合は、
    そもそも元々が円をドルに換えていたわけではないので
    為替利益を得た訳ではありません。

    しかも宝くじの当選金の所得は申告しているので、
    「ラッキー!」ということでOKと判断できそうな気がするのですが。

    どうかお考えをよろしくお願いします。
    Posted by at once traveller at 2009年09月28日 01:33

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