昨晩はドバイから来日中の、
シュア・キャピタル(SHUAA Capital PSC)のサニーさんが
私の狭いオフィスに遊びに来まして、その後六本木にお食事に行きました。
結局話が盛り上がりすぎて、3件もハシゴをしてしまい気がつけば午前様だったのですが、
その話の内容は大変有意義で充実した情報交換をさせていただきました。
中でも特に大きな話題となったのが、
眠る巨人
サウジアラビア証券取引所(TADAWUL)の位置づけと今後の動き。
サウジアラビアは、現在外国人に対して投資の規制があります。
GCC居住者には開放されましたが、
銀行セクター以外の企業に49%までという制限を設けています。
(サウジの銀行セクターは、GCC居住者であっても保有枠0%という制限があります。)
また、GCC以外の外国人は、すべての企業が保有枠0%で、サウジの株を買うことができません。
しかし、ドバイの金融関係者のお話ですと、多くの方が
「来年にはサウジの株式市場は外国人にも開放されるのではないか?」
と予測しています。が、特にこれと言った根拠があるわけではなく、「流れとして」そんな雰囲気。という感じです。
GCC6カ国(サウジ、UAE、カタール、クウェート、オマーン、バーレーン)の株式市場は、
サウジ以外すべての国が、
外国人に対して49%までの外国人株式保有枠を設定しています。サウジだけが門戸を閉じているのです。
GCC6カ国の経済統合への動きを考えると、サウジだけが単独行動をとると6カ国の足並みが乱れますから、
経済統合・通貨統合へ向けて、そこの歩調を少しづつ合わせていく必要があるのです。
サウジも他の湾岸諸国同様、2006年初頭に市場がクラッシュしています。しかし実際の企業収益は拡大しており、
増収増益企業が続出しているにも関わらず、株価は安値で放置されており、
株価と企業収益の乖離率は
湾岸諸国でもっとも大きく、サウジが最も割安でしかも成長性の高いマーケットであることがいえます。
シュア・アセットマネジメントも、本年6月から
サウジ・ゲートウェイ・ファンド(Saudi Gateway Fund)の
設定・運用を開始していますが、サウジアラビア単独のファンドは恐らく世界初の試みでしょう。
メッカとメディナというイスラム二大聖地を抱えるサウジは、イスラム諸国のリーダーでなければいけません。
なので、イスラム諸国の中でも最も戒律が厳しく、これまで外資に対しても様々な規制を設けてきました。
2005年末にWTOに加盟を果たしたサウジは、その規制を徐々に緩和しつつあります。
なので、「眠る巨人が徐々に眠りから覚めつつある」といったところでしょうか。
で、一体サウジは何が巨人なのか?それは色んな意味で「巨人」なのですが・・・、
・GCC域内で最大の人口(2700万人)
・GCC域内で最大の国土面積(日本の5.6倍)
・格付けの高い国家財政
・若年層の多い人口ピラミッド (→かたや失業問題も社会問題)
・原油埋蔵量は世界ナンバーワン
・海水の淡水化供給量は世界ナンバーワン
で、意外にもサウジには綺麗な水が豊富にあるので、
・灌漑農業が発達しており食料自給国となった
・小麦は輸出国
など、食料の自給率が高いというのも意外な特徴です。さらに、
・アラビア半島の中心に位置し、世界的な貿易拠点となる
・よって中東のデトロイトを目指すという政府戦略
など、イスラム世界では馴染みのなかった
製造業というビジネスが今後急拡大すると言われています。
そして、サウジ政府はそういった分野のメガ経済特区の建設・稼動を開始していく予定です。
これら、色んな意味を込めて
「眠る巨人サウジアラビア」なのですが、上記を整理すると、
●エネルギー自給国
●食料自給国
●水自給国
●製造業集積
●貿易拠点
●豊富な外貨準備
●堅実な国家財政
といった、日本にとっては羨ましいものばかりを兼ね備えている、非常にファンダメンタルのよい国といえます。
ただ、
王家の絶対君主制や、
イエメン国境付近のテロリスト、
イランの問題、
パレスチナの問題など、
周辺国と関連した大きなリスクが存在するのも確かです。
ただ、ドバイのような
「イスラム世界と西側世界の融合」といった、新しいあり方が中東世界全体を変えており、
それは中東のみならず、今後長期に渡って世界の構図も大きく塗り替えることと思います。
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