香港資産運用奮闘記GCC(ペルシャ湾岸)・MENA > UAE、通貨切り上げも・湾岸協力会議で外相表明
2007年12月04日

UAE、通貨切り上げも・湾岸協力会議で外相表明

本日の日経新聞国際面からの引用です。
「UAE、通貨切り上げも・湾岸協力会議で外相表明」

ペルシャ湾岸の6産油国でつくる湾岸協力会議(GCC)は3日、カタールの首都ドーハで首脳会議を始めた。
焦点のインフレ対策ではアラブ首長国連邦(UAE)のアブドラ外相が、加盟国の意向を見極めたうえで
通貨ディルハムの対ドル相場を10年ぶりに切り上げる可能性を表明した。

アブドラ外相は記者団に同日、「我々はGCCの仲間たちに相談した後に(通貨切り上げを)深く検討する」
と述べ、首脳会議で反対されない限り、1997年のドル連動制(ペッグ制)導入後では初めての切り上げを示唆した。
ディルハムのペッグ相場は1ドル=約3.67ディルハムで、金融関係者によると、切り上げ幅は3―5%を軸に調整中だ。
(以上日本経済新聞より引用)

UAEの20ディルハム通貨







(↑UAEの20ディルハム通貨)


注目されるUAEディルハムの動向ですが、予想よりも早く動いています。

UAEをはじめとした湾岸産油国は、地理的にヨーロッパとのつながりが深く、多くの輸入品がfromヨーロッパです。
しかし相場を米ドルに釘付けされているUAEディルハムは、米ドル安につられて安くなっているために、
ヨーロッパからの輸入品価格がものすごい勢いで高騰しています。

このインフレをコントロールするために、UAEは金利を下げたいところですが、米ドル釘付けのディルハムは、
金利も米ドルに追随せざるをえなく、米国にあわせて一緒に金利をさげなくてはいけないので、
金利を下げてさらにインフレに拍車がかかっています。

湾岸諸国の中でも特にサウジとUAEは、外貨準備高に占める米ドル比率の割合が高いということ、
安全保障面で米国依存度が高いということなど、ドルペッグ解除には大きな痛みも伴うために、
これまでなかなかドルペッグ解除を実行できずにいました。

ドルペッグを解除すると、湾岸通貨は米ドルに対して確実に切り上がります。
すると、サウジやUAEが保有する外貨準備高の大部分を占めるドルが大きく目減りし損害が生じます。

しかし、通貨切り上げがここまで具体的に且つ緊急を要するようになった今、大きな痛みを伴ってでも
通貨切り上げをしなくてはいけない時期にきたようです。

人民元の切り上げと湾岸通貨の切り上げとでは、その背景が大きく異なります。

中国は世界の工場として活躍し、自国でモノを作って世界へ輸出しています。
「中国はデフレを輸出する」と言われているくらい価格競争力があり、人民元切り上げを実行すると、
その価格競争力が低下するので、多くの産業が大打撃を受ける可能性があります。
国益を考えると、人民元切り上げは1日でも多く先延ばししたいのが中国の考え方です。

その反面、湾岸地域は製造業が育っていません。なのでモノの多くは輸入品に頼っています。
しかも労働力の多くを周辺国の外国人労働者に依存するこの地域は、物価高騰⇒労働者の生活難で、
出稼ぎに来ている外国人労働者たちが生活苦を理由に母国へ帰ってしまいます。

急激なインフレは労働力、観光客、外資系企業が逃げてしまうため、湾岸諸国では大きな問題です。
国益を考えると、湾岸通貨の切り上げは1日でも早く実行したいのが湾岸諸国の考え方です。

ドバイ国際空港のイミグレ←ちなみにこの写真はドバイ国際空港のパスポートコントロール。
明け方の4時だというのにものすごい行列です。

いまドバイは世界中から、観光客、労働者、ビジネス客、移住者など、
多くの人が様々な目的でこの地を訪れています。
そして、これらの人々によってドバイの経済は支えられています。


昨年と今年10月、タクシー運転手に「ドバイは好きか?」と質問をしました。

昨年:「大好きだ。ドバイはとてもエキサイティングで仕事も大忙しだ」

今年:「嫌いだ。物価が高くて生活が大変だ。インドへ帰ろうかと思っている」

たった1年でも物価は急騰しました。ちなみにインフレ率は年10%を超えています。
湾岸各国は、この異常なインフレを早い段階でコントロールしなくてはいけません。

このような現状を考えると、UAEディルハムは間違いなく切り上がることと思います。
UAEディルハムが10%切り上がると、ディルハム建てで保有するドバイ株も10%切り上がることですから、
円高のいま、ディルハムを購入しドバイ株に投資しておくことは、絶好のタイミングかと思います。

海外投資祭り




ドバイ株投資完全マニュアル~企業情報編 特選30銘柄~ [本気の海外投資シリーズ7]
ドバイ株投資完全マニュアル~企業情報編 特選30銘柄~ [本気の海外投資シリーズ7]
石田 和靖 デビッド・サンダース

関連商品
ドバイ株投資完全マニュアル (本気の海外投資シリーズ 5)
ベトナム株投資完全マニュアル [本気の海外投資シリーズ6] (本気の海外投資シリーズ 6)
タイ株投資完全マニュアル 企業情報編・特選41銘柄 (本気の海外投資シリーズ 4)
タイ株投資完全マニュアル 入門編 改訂版 (本気の海外投資シリーズ (2))
日本人が知らなかったタイ株
by G-Tools

ドバイ株投資完全マニュアル (本気の海外投資シリーズ 5)
ドバイ株投資完全マニュアル (本気の海外投資シリーズ 5)
石田和靖

関連商品
タイ株投資完全マニュアル 企業情報編・特選41銘柄 (本気の海外投資シリーズ 4)
タイ株入門―割高な中国・ベトナム株からASEANの優等生へ-長期分散投資が成功をもたらす
ベトナム株 中国株に続く新興国株の成功法則
口座開設から、銘柄選び・儲け方まで ベトナム株完全投資ガイド
日本人が知らなかったVISTA株
by G-Tools

こちらでも海外投資ネタブログを更新中です。よろしくお願いします。m(_ _)m
⇒パンローリング著者によるブログ「PanRolling投資の仲間たち」
⇒¥塾投資日記ステーション「石田和靖の海外投資チャンネル」


関連記事:
ドバイに関連する記事は以下をご参照ください →サイト内検索「ドバイ」
ドバイ証券取引所がOMXを買収するのではありません
ドバイ・ポート・ワールド(Dubai Port World)が来月IPO
ドバイ株投資完全攻略セミナーにNBADファンドマネージャが参戦!
75kmの距離をつなぐアラビアン・カナル(Arabia Canal)
今日からドバイへ行ってきます
ドバイ経済特区長官緊急来日!先着100名!UAE不動産・株式セミナー
アブダビ証券取引所(ADSM)投資家登録申請書の書き方
アブダビ証券取引所(ADSM)の投資家コード
ドバイ株投資完全攻略セミナー 10月28日(日)開催 -早期割引
湾岸協力会議(GCC)の通貨統合は延期に
ドバイ取引所20%出資、ナスダックと提携
UAEが北朝鮮と外交関係を樹立
アブダビ政府系投資会社、コスモ石油の筆頭株主に
エミレーツ航空(Emirates Airline)の株を買いたいのですが・・・。
アラブ王子、ウエートレス見習いと結婚 旅先で一目惚れ
ドバイのエマールプロパティが北朝鮮に進出?!
マークモビアスさんが本格的にMENA地域に投資を開始
映画産業向け経済特区 ドバイスタジオシティ(Dubai Studio City)
UAEが地球温暖化に対処する省エネ地区「グリーンシティー」の建設を発表
ドバイマリーナ(Dubai Marina)に行ってきました
エミレーツヒルズ(Emirates Hills)に行ってきました
パームジュメイラ(The Palm Jumeirah)に行ってきました
シュアキャピタル(SHUAA Capital PSC)のTさんとお食事
ヨハネスブルク証券取引所(南アフリカ)四季報
ドバイ・名古屋・大阪から帰りました
気温45度のドバイに到着しました
いざドバイへ向けて、出発
All About 戸松さんのおすすめガイド記事に"ドバイの魅力とリスク"が掲載されました
新刊のお知らせ 〜ドバイ株投資完全マニュアル〜
ドバイ株投資完全マニュアル amazonプレゼントキャンペーン!
ドバイの不動産情報その2 〜ドバイの不動産はバブるか?!〜
ドバイの不動産情報その1 〜意外とそれほど高くない?ドバイの不動産〜
ドバイ×ベトナム投資セミナー開催! in 東京/大阪/名古屋/広島(6月)
ユニバーサル・スタジオ、ドバイにテーマパーク建設へ
驚異的な売上を記録するドバイのサマーセール
エミレーツ航空が好決算、航路を更に拡大
2016年の夏季五輪にドバイが立候補?!
中国向けを大幅に抜いている中東・アフリカ向けの建設機械輸出
"世界最先端!ドバイ株投資オンラインセミナー"がDVDになりました
ドバイ株投資オンラインセミナー、多数のご参加ありがとうございました!
アラブ連盟、イスラエルと直接交渉
アフリカの政府・金融機関、国際市場で起債続々
ドバイは砂漠の国なのに水が安くて美味しい?!
世界最先端!ドバイ株投資オンラインセミナー、4月12日(木) 開催のお知らせ
ドバイは香港同様、様々な情報がスピーディに集まる街
UAEの証券取引所比較
DIFC(ドバイ国際金融センター)オリジナルUSBメモリ
ドバイの独立系ニュータイプオンラインブローカー"MAC Sharaf Securities"
ドバイ近郊のベッドタウン、シャルジャに行きました
DIFC(ドバイ国際金融センター)に行ってきました
ドバイに到着しました
ドバイの宝くじ 〜Dubai Duty Free's Millennium Millionaire〜
ドバイにてカメルーン人の仏銀バンカーに出会う
今日から ドバイ(Dubai・UAE)へ行ってきます
砂漠のオアシスドバイからです。この街すごすぎ・・・・
エミレーツ航空のエコノミークラスは、メールの送受信ができます
ドバイ(Dubai・United Arab Emirates)のDVDが完成しました
HSBC Bank Middle East(ドバイのHSBC)でディルハム通貨を引き出す
ドバイ観光には"THE BIG BUS"での移動がおすすめ
ドバイの石油開発会社THANI INVESTMENTS(タニインベストメント)を訪問しました
2009年の開業を目指すドバイの地下鉄(Dubai Metro)
2016年の開港を目指すドバイの新空港ジェベルアリ国際空港(Jebel Ali Airport)
ドバイの高級不動産はイギリスの5分の1の価格?!
投資先としてのGCC(Gulf Cooperation Council)諸国

サウジアラビアに関連する記事は以下をご参照ください →サイト内検索「サウジアラビア」
リヤドからドバイへ戻る飛行機
リヤドという街 〜アラビア語で庭園を意味する街〜
サウジアラビアにきました
シュア・キャピタル(SHUAA Capital PSC)のサニーさんとサウジアラビアねた
サウジアラビア戦闘機72機購入、イラン警戒で軍拡
サウジアラビアの査証申請その4 〜商用短期訪問ビザ受け取り〜
サウジアラビアの査証申請その3 〜いよいよサウジアラビア大使館へ〜
サウジアラビアの査証申請その2 〜招聘状(InvitationLetter)〜
サウジアラビアの査証申請その1 〜商用短期訪問ビザ(VisitingVisa)〜
アラビアのバフェット"世界第5位の富豪" アルワリード王子の投資手法
サウジのアルワリード王子率いるキングダムホールディングが来月上場
サウジアラビアの証券会社ムバシェル証券(Mubasher)へ行ってきました
サウジとエジプトを結ぶ、紅海横切る世界最長の海上橋
サウジアラビアが国内6カ所1200億ドルの「メガ経済都市」建設
湾岸6カ国単一通貨2010年導入、そして2015年変動相場制へ
愛・地球博☆EXPO2005レポートその3 〜サウジアラビア館〜

カタールに関連する記事は以下をご参照ください →サイト内検索「カタール」
ドーハ(カタール)の宝くじ 〜Qatar Duty Free's Millionaire〜
ドーハ(カタール)の金融センターと建設ラッシュ
ドーハ(カタール)に行って来ました


香港資産運用奮闘記GCC(ペルシャ湾岸)・MENA > UAE、通貨切り上げも・湾岸協力会議で外相表明


この記事へのトラックバックURL

 ※コメント入力時に、引用文に全角の「>」をつけると赤の太字で強調表示されます