イラク（クルディスタン地域）視察ツアーその７　ナショナル・メタリック・インダストリー:香港資産運用奮闘記 [ドバイ株・香港・海外投資・オフショアなどのネタ満載！]

バグダッドからスレイマニヤまで飛行機で50分程度ですが、陸路では約4～5時間程度。
そしてイラクでは、数々のチェックポイント（検問）を通過しなくてはいけません。

私たちが3日目に移動した、スレイマニヤ～エルビルも、チェックポイントが、5箇所ありました。

「バグダッド～スレイマニヤ」では、おそらく10数箇所は
チェックポイントがあるのではないかと思います。

イラク国内の主要道路は、あちこちに検問があります。
中でも特にバグダッドへ向かう道、またバグダッドから出る道は、
厳しい検問が数多くあります。

またさらに、「大都市を通過して大都市へ向かう」のはさらに検問の数が増えるので、
ティクリート、キルクーク、さらにバグダッドから南部のサマワ、ナジャフ、バスラなどは、
一層検問の数が多く厳しくなります。比較的北部は治安がよいので検問も少なく移動は楽です。

さて、このイラクのチェックポイント（検問）で何が行われるかというと、

１）すべての車が警察に止められて
２）車に乗っているすべての人が身分証明書を提示して
３）車のナンバープレートをチェックされて
４）移動の目的を警察に告げます。

この間およそ10～20秒くらいです。あっという間です。
最初は少し不安だったのですが、スレイマニヤ～エルビルの往復で10回もチェックポイントを通過してるので
だんだん、慣れっこになってきます。

さて、バグダッドからチェックポイントを10何箇所も通過して、スレイマニヤまでやって来てくださいました、
ナショナル・メタリック・インダストリー（National Metallic Industries）の社長と部長。

約1時間程度、会社の現状や今後の展望、また同社の株式などについてもお話いただきました。
もちろん動画収録済みですので、ワールドインベスターズTVでも配信する予定です。

同社は、イラクのバグダッドに本社を構える、社名からも分かる通り国有の金属加工製造企業です。
鉄パイプや、鉄板などの様々な部品も製造していますが、今は自転車と車椅子の製造に力を入れています。

資本は50%以上をイラク政府が保有し、残りは民間資本でイラク証券取引所に上場されています。

実際に、自動車で運んできていただいた何台もの車椅子を見せていただきました（↓写真）

とてもしっかりとした、綺麗な車椅子を作っています。

同社で製造している車椅子の販売価格は1台100米ドルだとのことで、主にバグダッドを中心に販売しています。
ただ、バグダッドよりも物価の高めのクルド地区では、他のメーカーの車椅子が400ドルで販売されているそうで、
いま、こちらのクルド地区でも新たな販売展開を始めようと模索しているのだそうです。

しかし最近はイラク全土で、さらに価格が安くて品質のよい中国製の車椅子が普及し始め、危機感もあるようです。
中国製の車椅子にシェアを逆転されないための、さらなる戦略の建て直しに迫られているとのことです。

同社の株価は非常に安い状態にあり、いま数社の米国企業から買収提案を持ちかけられているとのこと。
しかし社長は、買収提案に応じるつもりはまったく無いようです。

米国企業がなぜこの企業の買収を提案したがるかというと、この会社のビジネスモデルが目的ではなく、
米国企業の目的は、この会社が保有する広大なイラク国内の土地なのです。

ナショナル・メタリック・インダストリー社が保有するイラク国内の土地は、もともと業務拡大のための
工場用地として確保していた土地ですが、中国製品の参入などにより、販売台数が減少しています。
なので、業務拡大どころか、土地そのものが遊んでいる状態で上手に活用されていません。

しかしイラクは、治安もよくなってきたので住宅需要も出てきて、運のいいことに保有する土地は価格上昇を続け、
そしてさらに同社の株価は下落していますので、現在同社は株式時価総額の約3倍の土地を持っています。

要は同社を買収すれば、「今なら100円で300円分の土地が買える。」というわけです。

なおかつ、住宅需要が出てくるであろうイラク都市部の土地は、恐らく今後値上がりしていきます。
銀行の方も言っていましたが、治安がよくなり、国民所得があがり、住宅ローンなども整備され、
そして石油やプラント・商社・農業・その他色々な分野で外国企業が進出をはじめれば、
イラク都市部の不動産は、さらに価値の高いものになっていくとと思います。

ナショナル・メタリック・インダストリー社の社長の考えとしては、日本企業の技術や経営革新を導入し、
低迷する自転車・車椅子製造など本業の価値を高めていきたいとおっしゃっていました。

そのための、日本企業との友好的買収であれば、そのような話は積極的に進めたいとのことでした。
「イラクの投資環境や経済のことをたくさん教えてもらおう！」と思っていた私たちですが、気がつくと、

社長のお悩み相談を真剣に聞き、そこにアドバイスしている私たちがいました。

ナショナル・メタリック・インダストリー社がいい方向に進めるように、なんとか力を貸したいものです。

そんな思いで約1時間のミーティングが終わり、本日のアポイントすべてが終わりました。
ナショナル・メタリック・インダストリーの社長と部長は、スレイマニヤの綺麗な夕日が沈みかける頃、
また陸路でバグダッドへと帰っていきました。帰りもチェックポイント、お疲れ様です。m(_ _)m

さて、私たちはお腹も空きましたので、スレイマニヤのダウンタウンに晩御飯に出かけます。
今日は気分を変えて、イラクの屋台にチャレンジしてみます。

つづく　⇒　イラク（クルディスタン地域）視察ツアーその８　活況のイラクのデパート

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