昨年11月に六本木のワールドインベスターズトラベルカフェで開催した、
「2晩連夜の中東・アフリカナイト!」
そのときに、メインスピーカーとして日本に来ていただきたくさんお話をいただいた、
私の大切な友人でもある、
アブダビ政府系ファンドのCIOデビットサンダース氏。
彼の所属する、
アブダビ投資会社(旧ADIC・現Invest AD)を訪問してきました。
私ここを訪問するのは、
一昨年の年末に続き2回目となります。
Invest ADはペルシャ湾に突き出た島、
アブダビシティの中心部のビルの中にあります。
このビルは、ほかにもアブダビ政府系やUAE政府系の各機関がたくさん入っており、
まぁ言ってみれば、東京の霞ヶ関に建つビルのような感じでしょうか。
アブダビシティは、ドバイと比べて緑も多く、道路などが綺麗に整備されていて移動しやすい街です。
アブダビは、先代のアブダビ首長シェイク・ザイードが、砂漠の緑化事業に力を入れており、
在任中に1憶2千万本もの木を植樹し、この地域の気温が2〜3度下がったといいます。
そんなアブダビシティの中心部にInvest ADのビルはあります。
ちょうど私たちが訪れたとき、デビット・サンダース氏はアフリカの出張中で、
ザンビア、ジンバブエなどの企業調査にでかけていました。
というわけで、デビット・サンダース氏によるザンビアからの電話プレゼンテーションです。
プレゼンの内容は、
「GCCの概略と今後のGCCについて。」
はじめて湾岸諸国を訪れたメンバーたちにとって、この地域のバックグラウンドや
また将来像などを、解りやすくお話してくださいました。
そして、後半は同じくInvest ADのエクイティアナリストであるアナヤさんから、
アブダビの不動産開発、またプランアブダビ2030についての詳細をお聞きしました。
プラン・アブダビ2030(Plan Abu Dhabi 2030)
都市構造枠組計画(Urban Structure Framework Plan)
アブダビの将来像は、
「2030年までに人口が300万人を超える」という推測で都市計画されています。
また、滞在中のGulf Newsの一面にも載っていましたが、
2月7日夜、アブダビ首長国政府は、総額20億ドルの発電所建設を発表しました。
アブダビは水と電力の需要が、向こう5年間は毎年7〜8%増加していくだろいうと予測されています。
プラン・アブダビ2030とは、アブダビ都市開発評議会が、こういった要素を踏まえて組み立てた、
今後25年間を見越した6000億ディルハム(18兆円)規模の基本開発計画のことです。
いまアブダビには、この地の
ビジネス環境(低税率や外国人でもビジネスのし易い環境)や、
生活のしやすさ(緑が多く海が綺麗、公園や道路も整備され、先進国並みに整った住環境)など、
アブダビに惹かれて、この地に移住する人たちが急増しているそうです。
そういった人たちが、さらにビジネスをしやすく、生活をしやすく、そしてさらにアブダビが
発展していくための包括的な基礎をつくる計画が、プラン・アブダビ2030です。
計画の実施はすで2007年から始まっています。
ドバイの「ドバイストラテジックプラン2015」が発表された直後となります。
アブダビを世界でも最もすぐれた国際都市の1つに発展させていくことを目的としていますので、
多様な文化・生活習慣がこの地に集まりつつあります。
また、人口増加に対応できるための必要なインフラ、住宅、娯楽、ビジネスセクターなど、
順次開発を進めています。
また計画には、都市間鉄道ネットワークなどのプロジェクトも含まれているそうです。
ひょっとすると近い将来、
アブダビ〜ドバイ〜ダンマン〜リヤド〜ジェッダなど、
湾岸地域を横断する高速鉄道が実現するかもしれません。
また、プラン・アブダビのコンセプトのひとつである
「アブダビマスダールシティ」。
世界で第5位の原油埋蔵量を誇る、UAE(アブダビ首長国)が、原油に替わる次世代エネルギーである
太陽光や水素や風力、その他様々な環境エネルギーなどの開発を進めています。
ゼロカーボンシティを目指して環境エネルギーの開発をする街「マスダールシティ」
アラビア半島は砂漠の街、一年を通じて雨も数日しか降らない。
世界でももっとも日照時間の長い、湾岸諸国が太陽光エネルギーにおいて、
世界の中心を目指すというアイデアは、非常に高いポテンシャルを感じます。
そして、中東で初めてF1を開催したアブダビの「ヤス島(YAS Island)」
こちらの開発もまだまだ始まったばかりですが、このような、スポーツ・文化・芸術、
また、ビジネスセンターをあちこちの島で開発しています。
これらのプランアブダビに含まれる都市開発は、アブダビの開発会社
アルダー(Aldar)と
ソロウ(Sorouh)
主に、この2社主導によって開発が進められています。
以下の丸いビルは、アルダー(Aldar)の本社ビルです。ものすごいカタチですね(笑)
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⇒次回につづく